• |  山国町の梨農家の日記  |

  • 今年最後の防除。

    収穫後の防除2回目。今年最後の防除となる。梨の木は冬に入って休眠状態となり、雑菌の活動は低温で抑制され虫も姿を現さない。梨棚で動き回るのは人だけという季節だ。その入り口というか、梨の1年の終わりにやるのが防除だ。太陽が高くなる午前10時あたりまで待機、体が温まったところでSSに注水を開始して秋晴れの気持ちよい防除となった。このあと落葉処理という掃除をやって剪定に取り掛かる。

    今年最後の防除。

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    山国梨棚豊水幸水園

  • 梨の枝を焼く。

    収穫後、最初の枝焼きをやる。葉が多く残っているため剪定に取り掛かれず、目立つ枝だけ落として焼くことにしたのだ。昨日に続いて今日も寒い。ほんの数日前まで焚き火は熱くて不快だったのに、今日の火は離れ難い。指先を温め、足を炙ってようやくノコが引ける。本格的な寒波の前にもうこんな調子で、厳冬と噂されているこの先が乗り切れるだろうか。

    梨の枝を焼く。

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    山国梨棚新高園

  • 冬の海岸。

    指先が冷たい。厚めのパーカーを着ていても冷たい風が防げない。唐突にやってきた冬の朝だ。これで梨棚の落葉が一気に進むだろう。梨棚メンバーと定食屋で昼を食べ、今年の反省と、ついでに経理のアドバイスをもらった。仕事に追われていたら、年末はすぐそこに迫っている。今年は新高が特に不作だったぶん収穫が早く終わった。喜べない事態なのだが、そのぶん早く剪定に取り掛かれそうではある。メンバーと別れてから中津市街地へ向かい、剪定のための新しいコンテナと作業用の手袋を買った。このゆったりした時間も勿論、収穫量と引き換えだ。

    冬の海岸。

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    中津市中津港

  • 農具小屋の掃除。

    朝の深い霧。今日は雨が降るのかよくわからない天気だ。雨が降るのであれば早めに動いて農具小屋の掃除を終えなければ、と早朝から山へ上がった。農具小屋の掃除を急ぐ理由は、キャリーを新高園に置き去りにしているから。電動のキャリーと合わせると農具小屋はいっぱいになってしまうので、先に掃除をしてからキャリー2台の収納という順番になる。農具小屋は夏の間にムジナが住み着いてしまい、緩衝材やナイロン紐で営巣して無茶苦茶になっている。それらを全て外へ出して焼き払った。すっきりすると気持ちがよいけれど、来年は侵入されないよう対策しておかないと、また同じことの繰り返しだ。

    農具小屋の掃除。

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    山国梨棚新高園

  • 英彦山の紅葉。

    標高600mを境に紅葉が進んでいる。梨棚は400mあたりの山の斜面にあるためか、葉はまだ青い。山国町から福岡へ走ると英彦山があり、頂上付近の県境は紅葉が見頃だ。梨棚と英彦山は直線距離にして8kmほど。この8kmを紅葉の波が下ってくるのにあと1週間は要るだろうか。梨棚の草刈りは順調に進み、あとは落葉を待つばかりだ。

    英彦山の紅葉。

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    福岡県英彦山山頂

  • 落葉を待つ。

    草刈りがひと段落ついた。落葉を集めやすいよう樹幹のまわりと棚の支柱まわりの雑草を払うだけだから順調な作業だった。あとは落葉を待つばかり。黄色く色付いた葉が増えれば、突然小雨のように散り始めるだろう。その間にどこかで最後の農薬を散布し、農具小屋の掃除もやらくては。おそらくあと1週間ほどで落葉が加速するのではと踏んでいるが、ゆっくり待ってもいられないから適当なところで農薬を入れ、葉の粉砕を初めてもよいかもしれない。

    落葉を待つ。

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    山国梨棚新高園

  • 魔林峡。

    草刈りを終えてから魔林峡へ向かった。良い天気だし、ブログ用に落ち葉が流れる渓谷の水面が撮れると考えたからだったが、紅葉どころか落葉もまだまだ少なく、やたらと澄んだ流れを撮ることになった。水深は2、3メートルほどか。川底までしっかり見える透明度に日の光が差して青いゼリーみたいに見える。平日だというのに小さな渓谷を見物にやってきた観光客がちらほら。カメラを構えた老人がしきりにシャッターを押していた。いつもは寂しい山国町だが、今週末は人が増えるかもしれない。

    魔林峡。

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    山国町魔林峡

  • チップソー2本目。

    注文していたマキタの刈払機のアタッチメントが届いた。電動の刈払機は先端を取り外せる仕様だから、先端だけもう一本チップソーを購入したのだ。なぜ2本も必要なのか、と言うとワイヤーとチップでヘッドを交換するのが面倒だから。どちらも一長一短があり、柔らかく細い雑草が斬れないチップに対して、ワイヤーは太く固い雑草が切れない。都度ヘッドを交換すると時間がかかるから、数秒で取り替えの効くアタッチメントごと購入したわけだ。これでどんな場所でもすぐ対応できる。時短はひとりきりの農作業では重要なのだ。

    チップソー2本目。

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    マキタ電動刈払機

  • 秋らしい霧の朝。

    昨夜の雨が残る朝。霧も深い。山を上がるほどに霧が濃くなり、軽トラを降りて歩くと身体が濡れる。秋以降は雨が降ると霧が出る。霧は陽射しが戻ればすぐ消えてしまうけれど、雨が続けば体温を奪われて、15℃以下だと耐え難くなる。これはこの3年山にいて学んだことだ。無理をすれば余計に時間を食う。いつも時間に追われているからこそ、無理せず山を下りることも知っておかないといけない。

    秋らしい霧の朝。

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    山国町東部梨団地

  • 深耶馬溪の紅葉。

    昼近くに雨が降り出した。ぱらぱらと弱く長い秋らしい雨だ。草刈りのバッテリーが丁度切れたところだったし、で深耶馬溪へ軽トラを走らせた。自宅へ戻る途中に紅葉を見たかったからだが、山は紅くなっておらず、そのまま葉を散らしてしまう感じだった。日曜日だから観光客は多く、カメラを抱えた人も多くいたけれど被写体に困ったことだろう。満車の駐車場を出る頃には雨が本格的になり、買い物は諦めてそのまま帰路に着いた。

    深耶馬溪の紅葉。

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    中津市耶馬溪町深耶馬溪

  • 樹幹まわりの草刈り。

    樹幹のまわりの草を刈り始めた。と言っても梨棚の外周を優先しているため、そしてバッテリーの容量に縛られているため、今日進めたのは豊水の一列だけだった。もうじき落葉が本格化する。樹幹まわりの雑草を刈るのは、落ち葉を集め易くするためだ。集めた落ち葉は最後にまとめて草刈機で粉砕する。粉砕の直前に農薬を散布し、草刈機を走らせ、そして冬がやってくる。農作業に追われていると、年末はすぐだ。

    樹幹まわりの草刈り。

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    山国梨棚豊水幸水園

  • SSを動かす。

    今年最後の防除に取り掛かる。まだ緑の葉が残るうちに1回、落葉後に1回。どちらも黒星病の活動を抑えるためだ。今年も深刻な被害には至らなかったものの、豊水と幸水では黒星病が汚した梨が少し増えた。だから防除カレンダーに示される散布に従って、収穫直後の今日、久しぶりにSS(農薬散布車)を動かした。簡易的な屋根に幌だけで屋外に晒している車体だから、運転席にはゴミが溜まり、猫の足跡が無数に残っている。幌の新調と洗車で年を越させてあげよう。

    SSを動かす。

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    山国梨棚豊水幸水園

  • 冬の準備。

    ようやく明日の朝で出荷が終わる。落果処理した中から拾い上げた、出荷に耐える数少ない梨だ。各店舗には出荷の終了はもう告げていて、数の不明なB級品が残っていると説明してある。だから選果するコンテナの数も出荷数もほんの僅か。しかし僅かであっても軽トラで運ばねばならず、出荷時間も変わらない。それも明日の早朝で終わるというわけだ。今日は豊水幸水園の草刈りをやり、明日は出荷後に農薬散布の予定だ。剪定の冬が急速に近づいている気がする。

    冬の準備。

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    中津市三光

  • 紅くない山。

    この時期、山へ向かう道すがら紅くなった木々を見るはずなのだが、山はまだ緑だ。暖かい日が続けば紅葉は遅れ、寒くなれば早まるとして、今年はどうなんだろう。新高園の落果処理が今日終わったのに、葉はまだ緑。黄色く色づいた葉も少ない。落葉が遅れれば落葉処理も遅れ、それに合わせて今年最後の農薬散布も遅れる。寒さが本格化してからの防除作業は避けたいところなのだが。

    紅くない山。

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    山国町コロナ運動公園

  • 収穫の後片付け。

    台風が去って青空が広がった。山国川は台風が去ったあとらしく澄んでいる。気温を気にしていたがそれほど下がらず、落果処理も捗って気分良く山を下った。落果で枝にぶら下がった袋のなかには、まだしっかり枝にしがみついているものもあり、僅かではあるものの収穫となる。10月は軽トラの荷台に満載していた新高ではあるが今日はたった6コンテナ。しかもレモンのように小さく選果後は半分ほども使い物にはならないだろう。梨棚の掃除とはいえ、それでも収穫は収穫だ。明日はこの小さな新高を抱えて終盤の出荷だ。

    収穫の後片付け。

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    道の駅耶馬トピア

  • 11月の冷たい雨。

    出荷準備をしつつ暗い空を気にしていると、雨がぽつぽつ降り始めた。その後は予報通りの空模様。せっかくの連休なのに客足が遠のいてしまうだろう。雨を見越して出荷量を少なめにしてはみたが、直前になって失敗したかなと思う。雨が去る週明けはぐっと冷え込むとの予報もあって、最後に売り切るのが難しくなってきそうな気もする。寒くなれば梨は売れなくなる。そうなる前になんとかしておきたいのだが。出荷後雨足は次第に強まり、廃棄する梨を持って山へ上がる頃には作業が難しいほどの降りとなった。コンテナに張り付いていたカエルには冷たすぎる雨だろうと考え、焚き火で穴の空いた去年の上着の買い替えを思い出した。

    11月の冷たい雨。

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    山国梨棚新高園

  • 新高の収穫終了。

    今日、新高の収穫が終わった。商品として店に並べる梨の収穫は今日までだろう。残りは落果が大半、ときどき見つかるB品は、追いかけ店に出すけれどもセール価格だ。肩から力がどっと抜け、ようやく1年が終わったという気分だ。明日から台風の影響か、再び雨のようだ。天気はもう崩れていて、朝は暗く寒かった。一時朝日が射したが広がる思い雲にすぐ隠れてしまった。このあと草刈りと落葉処理が待っている。その前に礼肥を入れなければ。

    新高の収穫終了。

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    中津市三光

  • 雨の合間の晴れ間。

    雨と晴れが交互に入れ替わりながら10月が終わる。新高の収穫も終盤だ。去年は11月の半ば頃まで採れたが、今年は落果が多く、売り物になる新高は早々に消えてしまった。雨がなく高音の夏。梨も耐えられなかったようだ。3年連続で売り上げを伸ばすつもりでいたのに、残念な結果になってしまった。後に残ったのは大量の袋と落果した新高。袋は焼き払い、落果したぶんは草刈機で粉砕するつもりだ。

    雨の合間の晴れ間。

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    山国梨棚新高園

  • 落果した新高。

    朝から小雨。荷台を雨から守れない軽トラで強行して出荷を終わらせ、山へあがる。梨は濡れていて収穫は望めないが、落果の処理はできる。ワイヤータイを外し、袋をつまんで下ろすと中には落果した新高が入っている。多くは小さいままだからそのまま地面へ落とすのだけれど、たまに収穫の遅れから落果したものもあって、地面を落とすとき「もったいない!」と声を出してしまう。あと数日早ければ収穫できた新高だ。毎年、こんな感じで落果処理をやるけれど、今年はとりわけ落果が多い。

    落果した新高。

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    山国梨棚新高園

  • 新高の袋。

    収穫を待たずに落果してしまう新高が、今年はやけに多い。新高梨には耐水加工された袋がかけてあり、袋はワイヤータイで短果枝にくくられている。梨が落果すると、袋の中に落ちてそのままぶら下がるというわけだ。このぶら下がった袋が回収されないまま枝にあるせいで、場所によってはまったく収穫していないように見える。葉が茂っているうちはまだよいが、落葉が進むとなんとも見苦しい。収穫の山場はもうじき終わり、礼肥を入れたら袋の回収を急がないといけない。袋は冬の枝を焼く種火となる。

    新高の袋。

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    山国梨棚新高園

  • 落ち葉。

    豊水幸水の葉が黄色く色付いて落ち始めている。新高園と豊水香水園は離れているため、落葉に気がつかなかった。新高はまだ少し先になるが、散り始めてからは早く、すぐ裸になってしまうだろう。出荷の道中も落ち葉溜まりを道の端に見かけるようになってきた。しばらく暖かかったぶん冬は駆け足でやってきそうだ。新高収穫の終わりも近い。

    落ち葉。

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    耶馬溪町渓石園駐車場

  • 早朝、道の駅なかつ。

    まだ薄暗いうちに出発すると、出荷先へ着く頃には明るくなっている。明け方はもう寒いが、道の駅の搬入口が開く時間になると気温は気にならなくなっている。新高の出荷は、去年11月の半ばまで続いた。今年は梨の状態が良くないから11月の早いところで出荷を終えてしまえるかもしれない。8月から1日も休むことなく出荷を続けていると、もう1日でも早く終わらせたいという気持ちが強くなってくる。気になるのは空模様だが、いづれにしてもあと少しだ。あと少しで梨農家の1年がようやく終わる。

    早朝、道の駅なかつ。

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    道の駅なかつ

  • 返礼品。

    道の駅経由で注文してくれた広島のお客さんから、梨が届いた知らせと返礼品が届いた。毎日欠かさず出荷している道の駅やまくにだけれども、出荷ぶんとは別にまとまった数の梨を準備するのは正直骨が折れる。昨年も注文いただいたお客さんでもあるし、少し無理をして必要数用意させてもらったら返礼品が届いた。返礼品には手紙が添えられており、感謝が綴られていた。梨を売ってお礼と感謝の言葉を贈られることはそうない。梨の品質を向上させたいと思う気持ちは、たぶんこんな経験から生まれるんじゃないかと思う。

    返礼品。

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    返礼品

  • 庭のカボス。

    庭のカボスが大きくなった。たった1本の小さな木だが、1人では使いきれないほどの収量が得られる。まだ緑色だから完熟の黄色まで待つつもりではいるけれど、日に日に寒くなるこの頃、夕食にカボスを絞った味噌汁が飲みたくなる。インスタントの味噌汁であっても、カボスひとつ絞れば家の味になる。昼間に梨を収穫し、夕方にカボスを摘む。東京で暮らしていたときからは考えられない変化だ。

    庭のカボス。

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    自宅庭のカボス

  • いきなり寒い朝。

    寒い朝。軽トラの窓を全開に走れない。昨日まで気持ちの良い風が車内に流れ込んで、目覚めにちょうどよかった。しかし、今朝は上着を着ずに来たのを後悔するほどだ。外はまだ暗く、いかにも冬といった雰囲気で、秋はどこにもない。朝一の出荷を終えて耶馬溪を通過中、葉を落としてしまった並木の間を走った。太陽が上り、寒気が払われてようやく秋を感じるのだが、もう冬の準備を考えている。

    いきなり寒い朝。

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    中津市耶馬溪町

  • 満開のコスモス。

    コスモスが満開だ。広い畑の一角には多くの仮設テントが設営してあり、そこがコスモス祭りの会場なのかもしれない。このすぐ近くに梨を毎日出荷している道の駅があって、今週末の人出はかなりの数になると予想される。そのために選果を急いでいる。

    満開のコスモス。

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    中津市三光

  • 天気は下り坂。

    また燃えるような朝焼け。天気が崩れそうだ。出荷と収穫を午前中に済ませたいから、午後なら降られてもいいのだが、どうなるか判らない。9月までまったく雨が降らなかったが、秋になるとさすがに雲が重くなる。大きな梨を育てるのに水は必須。収穫した梨は雨に濡らせない。この時期のジレンマだ。

    天気は下り坂。

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    中津市耶馬溪町

  • 大きなキノコ。

    収穫のために小型のキャリーを使っているが、長い距離を走らせるでもないため燃料の消費は非常にゆっくりだ。タンクも小さく、携行缶をちょっと傾けるだけですぐいっぱいになる。そんなだからガソリンを切らしていることに気が付きにくい。今日もキャリーを動かそうとして、残量メーターが白くなっていると気づき、慌ててGSまで走った。いつもはあまり使わない西側の農道の両脇には名前の判らないキノコが群生していて、給油のあと軽トラを停めてしまうほど立派な姿にしばらく佇んでしまった。狩る人がいないから勿論食べられないのだろうが、なんだか勿体ない気持ちになる。

    大きなキノコ。

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    山国町草本

  • 大きく赤い虹。

    小雨の朝。コンテナを濡らさないために軽トラで出かけてよいものか思案していると、虹が出た。虹の消滅とともに雨は上がったが、忙しいばかりの1日が始まっただけだった。虹は吉兆だったか、願い事を叶えてくれるだったか判然としないけれど、少なくとも良いことはひとつもない。焼けるような空がただ綺麗なだけだった。明日も出荷に始まり、収穫して選果。そろそろこの重いルーティンから抜け出さないと、気が滅入るばかりだ。

    大きく赤い虹。

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    中津市耶馬溪町

  • 新高収穫2周目。

    今年の新高はどうにも小さい。なるべく大きな玉から収穫していて、1本の木にかかる時間は短い。枝に残したぶんは太る期待からだが、どうなるか判らない。半ば諦め気分で、今日2周目の木に取り掛かったとき、梨に掛けた袋にシワが寄っているのに気がついた。残しておいたぶんが太っていて、小さなものでも8玉(600g超え)、7玉(700g)も下がっている。使い物にならないのも多く、落果して袋ごとぶら下がったものも多いけれど、この発見で一気に気分が上がった。大きな果実はすぐコンテナいっぱいになる。収穫にかかる時間はいつもより短かった。

    新高収穫2周目。

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    山国梨棚新高園