• |  山国町の梨農家の日記  |

  • 満開のコスモス。

    コスモスが満開だ。広い畑の一角には多くの仮設テントが設営してあり、そこがコスモス祭りの会場なのかもしれない。このすぐ近くに梨を毎日出荷している道の駅があって、今週末の人出はかなりの数になると予想される。そのために選果を急いでいる。

    満開のコスモス。

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    中津市三光

  • 天気は下り坂。

    また燃えるような朝焼け。天気が崩れそうだ。出荷と収穫を午前中に済ませたいから、午後なら降られてもいいのだが、どうなるか判らない。9月までまったく雨が降らなかったが、秋になるとさすがに雲が重くなる。大きな梨を育てるのに水は必須。収穫した梨は雨に濡らせない。この時期のジレンマだ。

    天気は下り坂。

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    中津市耶馬溪町

  • 大きなキノコ。

    収穫のために小型のキャリーを使っているが、長い距離を走らせるでもないため燃料の消費は非常にゆっくりだ。タンクも小さく、携行缶をちょっと傾けるだけですぐいっぱいになる。そんなだからガソリンを切らしていることに気が付きにくい。今日もキャリーを動かそうとして、残量メーターが白くなっていると気づき、慌ててGSまで走った。いつもはあまり使わない西側の農道の両脇には名前の判らないキノコが群生していて、給油のあと軽トラを停めてしまうほど立派な姿にしばらく佇んでしまった。狩る人がいないから勿論食べられないのだろうが、なんだか勿体ない気持ちになる。

    大きなキノコ。

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    山国町草本

  • 大きく赤い虹。

    小雨の朝。コンテナを濡らさないために軽トラで出かけてよいものか思案していると、虹が出た。虹の消滅とともに雨は上がったが、忙しいばかりの1日が始まっただけだった。虹は吉兆だったか、願い事を叶えてくれるだったか判然としないけれど、少なくとも良いことはひとつもない。焼けるような空がただ綺麗なだけだった。明日も出荷に始まり、収穫して選果。そろそろこの重いルーティンから抜け出さないと、気が滅入るばかりだ。

    大きく赤い虹。

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    中津市耶馬溪町

  • 新高収穫2周目。

    今年の新高はどうにも小さい。なるべく大きな玉から収穫していて、1本の木にかかる時間は短い。枝に残したぶんは太る期待からだが、どうなるか判らない。半ば諦め気分で、今日2周目の木に取り掛かったとき、梨に掛けた袋にシワが寄っているのに気がついた。残しておいたぶんが太っていて、小さなものでも8玉(600g超え)、7玉(700g)も下がっている。使い物にならないのも多く、落果して袋ごとぶら下がったものも多いけれど、この発見で一気に気分が上がった。大きな果実はすぐコンテナいっぱいになる。収穫にかかる時間はいつもより短かった。

    新高収穫2周目。

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    山国梨棚新高園

  • 花かぼちゃ。

    道の駅に露店が並んでなかなか賑やかだ。それほど広くない駐車場は朝から満車。開店前に出荷を終えてしまわないと梨売り場が激しく混雑する。搬入口もテントで塞がれて時間がかかるだろう。ということで大急ぎでコンテナを運び込み、価格シールをプリントして陳列を終える。今日は隣の梨棚の農婦さんがいて、梨だけでなく花かぼちゃをコンテナいっぱい持ち込んでいた。油彩で描いたようなテクスチャのかぼちゃ。月末のハロウィン向けの出荷らしい。装飾品であって、食べられないそうだ。

    花かぼちゃ。

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    道の駅やまくに

  • 三光コスモス祭り。

    コスモスが咲き始めた。出荷の道中、道路脇から広がる視界すべてをコスモスが覆う場所があり、満開を迎える10月の半ば、中津市三光ではコスモス祭りの開催となる。観光客の動員数はどのくらいになるのか知らないけれど、期間中はとにかく梨がよく売れるのだ。今でも売れ行きはよいからそれほど心配はないが、イベントが更に売れ行きを支えてくれるのは助かる。収穫から戻れば即選果。うんざりするほどの長い作業時間を支えてくれるのは売れ行き、この一点なのだ。

    三光コスモス祭り。

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    中津市三光

  • 水道の復旧。

    水漏れ箇所がとうとう特定できた。水道栓の深さから土中2mくらいだろうと推測して重機で掘ると錆び付いて穴が開いていそうな水道管の下に、複雑に入り組んだプラパイプが出てきた。おそらく復旧は今日中といわけにはいかないだろう。想像していた軽いはずの作業が、とんでもなく大掛かりになってしまい、昨年から機会会計をやっている身としては支払いが気になるところだ。値上がりし続ける電気代に修理費。このまま梨団地から農夫が消えていけば、いつか梨を諦めなければならない日がくるかもしれない。

    水道の復旧。

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    山国町梨団地

  • 午前6時、濃霧。

    今朝の出荷は濃霧のスタート。山国川の川沿いはとくに霧が深く、対岸の見えない霧の深さに怯えて安全運転に徹する。対岸が見えないのだから、前方の視界も思うよりずっと狭いはずだからだ。その上、時間的にあたりはまだ薄暗く、対向車のライトが近いのか離れているのか曖昧でもある。太陽が霧を払うにはもうしばらく時間がかかる。急ブレーキは梨を痛めかねないので、霧の中をゆっくり進む。

    午前6時、濃霧。

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    中津市耶馬溪町

  • 白い彼岸花。

    新高の出荷をスタートさせてから初の中津市街地の道の駅へ出荷。朝早くの出発となるため、窓を開けるともう寒く、雨も振り込んでくる。豊水の最後の出荷から早くも10日近くが過ぎ去った。新高の実は硬くてまだ小さい。今年の新高はいまひとつだ。出荷先の道の駅の搬入口が開くまで、田園風景のなかに軽トラを停め、5分ほど時間待ちをしてから道の駅へ向かった。道端には見慣れない白い彼岸花が、枯れかけた赤い彼岸花のなかに咲いていた。

    白い彼岸花。

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    中津市三光

  • 雨の日の出荷。

    晴れる気配を見せつつ、出荷のタイミングで雨が降り出した。梨を濡らせないため、雨の日の出荷は大変だ。今日は道の駅に出荷する他に注文の品があったため、積載スペースの低い軽自動車で2往復することになった。収穫は休み、午後から選果に取り掛かってたまには早く寝ようと思う。8月から収穫を始めてようやく10月。まだまだ先は長い。

    雨の日の出荷。

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    中津市耶馬溪町

  • 道の駅の梨売り場。

    道の駅に梨を持って行くと、既に梨棚メンバーの豊華(ゆたか)が並んでいて驚いた。大きな果実は新高のようで見間違ってしまったが、値札と陽に焼けた無袋の肌を見て豊華だと判った。豊華は果汁の多い甘い梨だ。育てている本人に言わせると味にばらつきがあり均質でない、ということだが試食した豊華はとても甘く美味かった。惜しいのは、この時期のお客さんは新高を求める人が多く、新品種に手を出しにくいということだ。生産を続け、味を知って貰えるまでしばらく時間がかかるのかもしれない。

    道の駅の梨売り場。

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    道の駅やまくに

  • 雨のち晴れ。

    今朝も雨のスタート。夜間に雨が降ってくれるのは嬉しい。水が足りないのだ。新高はまだまだ小さく、雨が要る。収穫には鬱陶しく、選果の手間を増やす雨だけれども小さい新高ではどうにもならない。しかし収穫の手を止めて成長を待つ余裕もなく、ジレンマを抱えたまま週末に備えて新高を摘んでいる。空は正午を境に雨雲が消えて晴れ間が見えた。次の雨雲は週明けになりそうだ。

    雨のち晴れ。

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    山国梨棚新高園

  • 老朽化した水道管の調査。

    雨の合間を縫って、梨を濡らさずに出荷を終えた。あとはこの速度で収穫もと意気込んだが、梨組合の農夫さんがやって来て水道管の調査を伝えてきた。土中に埋まった古い水道管のどこかに不具合があり、今年に入って高い水道料に悩まされていたからだ。収穫をある程度まで終えてから、調査グループに合流し、調査の行方を見守ることとなった。結果はまずまず。不具合箇所の特定には及ばなかったものの、おおよその位置は解ったようで、11月に衛星による水量データと照らし合わせてから本格的な炙り出しに取り掛かるようだ。年々組合員が減る山国梨団地で、これ以上の管理費用は捻出し難い。年内の解決を切に願う。

    老朽化した水道管の調査。

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    山国町梨団地

  • 新高の出荷開始。

    予報通りの朝から雨。出荷には鬱陶しいが、乾いた新高園には恵みの雨だ。できれば午前中まで降らないでほしかったのは、収穫の時間を短くてもいいから確保したかったからだ。昨日、多めに収穫したのは今日の雨のためで、しかし明日以降となれば玉が尽きる。どうやら雨雲は去らないようで、1日だけ出荷に空白をつくってしまいそうだ。3時間でも上がってくれれば、濡れた袋を剥がしつつ数コンテナぶんの新高を下ろせるのだけど。

    新高の出荷開始。

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    山国町市平

  • 新高の収穫開始。

    新高の収穫を開始した。まだ少しばかり早いようだが、明日から雨。収穫できない2日間のぶん、あるいは3日降り続ける雨を見越して今日は多めに摘んだ。雨のない夏。そのせいで実は小さく、新高らしい新高サイズを探すのに時間がかかってしまった。全体がもう少し太るまで待つのは容易い。容易いが収穫を遅らせれば後半に捨てなければならない新高を増やすばかりだ。早ければ早いほどよいけれど、実は小さい。悩ましいところだ。

    新高の収穫開始。

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    新高梨

  • 収穫合間の帰省。

    先延ばしに先延ばしを重ねていた用事を済ませるため、帰省してきた。ちょうど豊水の出荷が終わり、新高の収穫の合間を縫ってのことだ。朝早くに草刈りをやり、自宅へ戻ってそのまま南下するつもりだったのだが、どうせ長時間の運転なら気持ちのよいルートで、と考えたのがまずかった。国東をまわって大分市内を海岸沿いに下ったのだが、良いのは景色だけでやたら時間がかかってしまった。日帰りの強行軍だから少しでも体に優しいルートを選ぶべきだった。明日から新高収穫の予定でいるのに、くたくたになって戻ってくることとなった。

    収穫合間の帰省。

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    豊後高田市臼野

  • 師匠を尋ねるも。

    用事があって久しぶりに日田市へ向かった。朝早く山へ上がり、バッテリーを使い切るまで草刈りをやった後のことだ。時間が早過ぎたから、師匠の梨園を訪ねてみようと思いつき、きっと収穫最盛期の新高園にいるだろうと踏んだものの、誰もいないようだった。手前にあるのが豊水香水、奥に広がっているのがまだ袋を被った新高。その広さに今更ながらに驚く。しかもここが全てではないのだ。挨拶してから用事に向かおうと思っていたが、この風景を見ながら30分を潰すことになった。

    師匠を尋ねるも。

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    日田市梨団地

  • 農道の草刈り。

    豊水出荷終了。午前中の早い時間に山へ上がり、放置していた草刈りをやる。梨棚全体をやるには、次の新高がすぐ控えているので農道に面した雑草を刈ることにした。チップソーを外し、ワイヤーヘッドに取り替えて、細い雑草から刈り取ってゆく。農道にはチップソーに絡んでしまう細い雑草と茅が多くツタも伸びている。ワイヤーだと刈り取れないツタはともかく、ワイヤーだと柔らかい雑草の刈り取りがムラなく出来、しかも素早い。バッテリーの消費が激しくなるのが難点で、充電に自宅を往復することになるだろうが仕方ない。時間がないのだ。

    農道の草刈り。

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    山国梨棚豊水幸水園

  • 益獣ヤモリ。

    コンテナの中にヤモリがいた。梨を選果場と称した畳の部屋へ持ち込むと、いろいろな虫が潜んでいるのに気づく。ヤモリはその虫を狙って侵入してきたのだろう。果口の凹みに白い袋を営巣して潜むクモやコンテナをうろつくクモなど、梨の実は害虫と同じくらいの益虫益獣に守られていたりもする。ヤモリは冷んやりした前足をこちらの指先に乗せた後、猛スピードでどこかへ消えた。収穫の終わった豊水園は巣を貼る大型のクモの楽園となっていた。去年はオオスズメバチ。毎年、必ずこの虫たちがいるとは限らず、持ち帰ってしまう虫も様々だ。

    益獣ヤモリ。

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    ニホンヤモリ

  • 豊水の収穫終了。

    豊水の収穫がようやく終わった。最後の数日は鳥と虫にやられた梨を落とす作業のようなものだった。あと2日はいけると踏んでいたけれど、無理だった。最初に回った頃はまだ青くて摘めなかったのだ。待っている間に害獣に横取りされてしまったが、9月の終わりとなれば仕方のないところもある。去年の今頃も彼岸花を横目に最後の出荷に出かけた。次の新高の出荷まではまだ少し間がある。数日間は草刈りに追われそうだ。

    豊水の収穫終了。

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    中津市本耶馬溪町

  • アサガオと落選報告。

    自宅の駐車場まわりに野生のアサガオが繁殖中。ツタを伸ばす植物は本当に厄介で、低木から家の壁や雨樋に巻きつこうとする。豊水の収穫も終わりが近い今こそ刈り取らねばと、刈払機を取り出したとき、梨棚メンバーから連絡があった。期待していた梨品評会の落選を伝えてきたのだ。今年こそはと意気込んでいたが残念な結果に終わってしまった。やはり狙って獲れる賞ではないようで、来年に向けてまた頑張らないといけない。

    アサガオと落選報告。

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    アメリカアサガオ

  • 林檎とシノ。

    鉄柵が倒された。雨で地面が緩んだところを無理やりこじ開けられた感じだ。犯人はイノシシ。駐車スペースに無数の穴が空いていて掘り返されたところだけ雑草が消えている。それにしても鉄柵を外してしまうパワーは凄い。その破壊を隣の梨棚の農婦さんに話していたら、すぐに修理しなさいと言って番線とシノと林檎を持ってきてくれた。シノという呼び方が正しいのかよく判らないが、とにかくそれで伝わる。番線を絞める工具のことなのだが、とにかく大急ぎで柵を修復して収穫を続けた。

    林檎とシノ。

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    山国梨棚豊水幸水園

  • 天気は下り坂。

    稲穂が重く垂れ下がってきた。水田は緑から黄色へ。今日の空は重く、明日の夜半から雨の予報だ。強く降るようだが、豊水には間に合わなかった。残った豊水は太陽に焼かれて成熟が早く、梨を狙った虫の飛来も昨年より多い。収穫の終わりも早まるだろう。雨の週末、連休となるけれど、客足が遠のきませんよう。

    天気は下り坂。

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    中津市三光

  • 梨品評会の出品準備。

    梨棚メンバーと梨品評会出品向けの1箱をつくった。場所は米倉庫。気温が1年中一定に保たれた最強の選果場だ。残念なのは室内に照明がないことだが、まあ仕方ない。淡いベビースキンから濃緑までグラデーションに配置された「あきづき」の中から時間をかけて6個を選んだ。そして試食用に1個。集荷した梨を重さで別け、そこから色で配置するのを出荷作業中にやるのは大変なことだ。今年は入賞へと返り咲きたい。

    梨品評会の出品準備。

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    選果風景

  • 涼しい朝。

    軽トラの窓を開けていると寒く感じる朝。陽射しが高いところから照りつけるまでは過ごしやすい。暑くなる前に出荷を終え、昼前に収穫も終わらせる。30℃を超える午後は選果場で選果の時間だ。ほとんどルーティンとなった1日の始まり、最初に通過するのが道の駅から乗って海岸へ向かう高規格道路なのだが、この道を走ってようやく目が覚め、頭がしっかり働き始める。道から見える景色は三光の田園風景と八面山。目覚めの風景として申し分ない。

    涼しい朝。

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    道の駅耶馬トピア

  • 豊水の収穫終盤。

    豊水の収穫がいよいよ終盤だ。木によってまちまちだった食べ頃は、一部を除いて一気に成熟を過ぎようとしている。どの実をちぎっても甘く、糖度を気にすることがなくなる反面、完熟による裂果を注意するようになってきた。去年は9月の終盤まで持ち堪えてくれたが、今年は高い気温のせいか終わりが早まりそうだ。なるべく多くを収穫しなければならないが、選果場に待機させる梨を増やすことにも繋がってなかなか難しい。来週の3連休が分かれ目となりそうだ。

    豊水の収穫終盤。

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    山国梨棚豊水幸水園

  • カメムシの飛来。

    出荷を終えて山へ向かおうと軽トラを動かすと、カメムシがフロントグラスに張り付いている。梨を満載していた上に、特に匂いを放つ廃棄ぶんの梨はまだ荷台に乗ってるせいで、今年は特にカメムシを呼び寄せる。路肩に軽トラを停めてカメムシをキャップで叩き落とし、見落としがないか見ると計3匹が荷台のシートにいた。乗せたまま梨団地を走るわけにはいかない。炎天下、他にまだいるのではないかと嗅ぎ回って車をスタートさせたのは10分後。これだけで作業着に汗が滲み、収穫の腰を始める前から折られるのだ。

    カメムシの飛来。

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    道の駅やまくに

  • 秋の空。

    9月も半ばを過ぎようとしている。気温は30℃を超えたまま、涼しく感じるのは日の出までだ。豊水はまだまだ収穫を続けるけれど完熟を迎えた木もあり、虫と野鳥の飛来もあって優良な豊水は日を追うごとに減っていくだろう。空は高く、あれだけ飛び交っていたトンボの姿はもう見えない。収穫を急がないと。

    秋の空。

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    道の駅なかつ

  • 群生するツユクサ。

    収穫が始まる前に刈り取った雑草が伸び放題だ。現在収穫中の豊水園はまだしも、収穫までまだ時間がある新高園はヒトの背丈ほどに伸びている。新高園の雑草は買っていない。刈らなかった理由は保水であり、日照りの続く今夏は太陽光を遮断する役目もある。朝、雑草を踏みつつ梨棚の下を歩くと長靴がびっしょり濡れる。ほんの気休め程度かもしれないが、無いよりはあった方がマシだし、ツユクサのように目を楽しませてくれる花も咲くのだ。

    群生するツユクサ。

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    山国梨棚新高園