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枯葉処理から3日。
豊水幸水園の落葉処理から3日、そして今日、新高園を終えた。終盤はガソリンが底をつくぎりぎりな上に雨がぱらついていた。夏場の草刈りではガソリン10ℓあれば足りるのだが、枯葉を砕くとなると確かに時間もかかることから、いつもの倍のガソリンが要るようだ。なんとか処理を終えて乗用草刈機を洗車しようとしたが、雨と曇天で車体が乾きそうにない。だったら洗車は明日にまわして剪定に要る諸材料を買出しに日田のグリーンセンターへ向かうことにした。しかし、今日は日曜日。グリーンセンターは入り口の通路にロープが張られていて侵入できない。愕然としつつ煙草に火を点けると正午を過ぎていた。無駄足を踏んでしまった。引っ越しをした今となっては日田市へ来ることは滅多にない。何かやることはないか考えつつ、種苗店に寄って梨の苗木の支払いを済ませ、農具小屋の棚に使うホウキを1本と米を5kg購入して山国へ戻った。
Location
山国梨棚豊水幸水園
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冬らしい一日。
昨日から気温が急激に下がって冬らしい日が続いている。空はすっきりせず、風はすごく冷たい。今日は軽トラのメンテナンスで中津市街地へ向かい、その足で商施設が集まる海岸通りで買い物を済ませた。折れてしまったスプーンから食器、枝切り鋏から自宅専用の脚立までずっと不便でいたモノを細々と買い集めた。そして最後に食料品。自宅へ戻ると、もう山へ上がるには遅い時間になっていた。できれば夏からずっと酷使してきた軽トラの洗車まで済ませたかったが、体が冷え切っていて水を触る気にならず、選果場として使っていた座敷の掃除をやった。豊水梨から剥がれ落ちたコルクが選果場だけに留まらず、家中に散らばっていてうんざりし、途中で投げ出して遅い昼寝に逃げてしまった。
Location
中津市耶馬溪町
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枯葉処理開始。
樹幹まわりの雑草を刈り終わって3日が経過した。雑草は枯葉を捕らえて離さないため最初に刈っておく。山国の梨棚は寒くなると強い風が吹くから、雑草がなければ留まらずに吹かれてゆくのだ。梨棚に到着して木の根元を見ると、そこだけ枯葉が消えている。あとは乗用草刈機のエンジンを始動して通路の枯葉を粉砕していくだけ、といきたいがなかなかそう上手くはいかない。風に飛ばされた枯葉は防風ネットのそばに溜まって層になっている。これを掻き出すのが一苦労だ。冷たい風が吹くなか必死になって枯葉を熊手で通路へ掻き出す。ようやく乗用草刈機を動かすと、運転席に座るだけの体に風はますます冷たく、防寒装備で来なかったことをひどく後悔した。
Location
山国梨棚豊水幸水園
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カボスがキウイに。
地主さんにカボスをあげた。ずっと柚子だと勘違いしていた黄色い果実は、隣家の農夫さんからカボスだと教えてもらって正体が判明した。柚子とカボスはテクスチャが全く違っていたのだ。地主の農婦さんは喜んでカボスを受け取ってくれ、お返しにキウイをくれた。数にして100個ほどか。去年も大量のキウイをもらった。スライスしてバターをたっぷり染み込ませたトーストの上に乗せると、めちゃくちゃ美味い。コーヒーにこれほど合う食べ物はないと思える。果肉はまだ硬く、追熟に1週間ほど待てばきっとちょうどよくなるだろう。
Location
山国産キウイフルーツ
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強風に揺れるススキ。
雲が多く、ときどき陽が差すよい草刈り日和だ。風は強く冷たいが、刈払機を担いで汗をかく者にとっては気持ちよい。18vのバッテリーを4つ用意して使い切るまで樹幹まわりの雑草を刈り取る。このあと乗用草刈機で枯葉を砕いていくのだが、樹幹まわりの枯葉を掻き出しておくために必須の下準備だ。昼過ぎにバッテリーが上がり、充電のために下山する。梨団地脇の空き地に群生したススキが陽射しを反射してキラキラ輝いている。気温が急激に下降する直前の風景。11月もあと2日で終わる。
Location
山国町市平
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五木小川。
宮崎からの帰路、五木村を過ぎた先の渓谷で車を停めた。このあたりの川の水が清んでいて気になっていたからだ。幅員は十分だけれども、路肩に気軽に停車するには交通量が多く、これまでただ眺めるだけで走り去っていた。しかし帰路の早朝。他に走っている車はない。道路と川の距離が近いところで車を停め、水面を眺めつつスマホに保存した。太陽が高いところにあって陽射しが届くなら、おそらくもっと美しい水面が撮れただろう。辺りは薄暗く終日陽の当たらない渓谷の底だから、まあ仕方ない。川の流れはしばらく進むと道路から別れ、木々に隠れて見えなくなる。五木小川はヤマメが釣れるのだそうだ。フライやルアーで釣る技術があれば、きっと楽しいだろうなと思う。
Location
熊本県五木村
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頭地大橋。
草刈りを中断して息抜きのドライブに出かけた。ひとつには落葉が遅いからで、落葉処理が進まないからだ。そしてもうひとつは収穫と出荷で疲れ果ててしまったせいもある。とにかく安宿を予約し、何もしなくてよい2日を過ごすことにした。長崎へ向かうか、南下するかで悩んだが、特にあてもなく南下。高速は利用せず、菊陽から御船、美里から東陽町へ抜けて五木村へ。そこで長い休憩をとった。五木村の手前に渓谷の底から70mの高さの頭地大橋があり、同じ位置に五木村がある。全戸同時期に一斉に建てられたかのような不自然さと、いかにも人工的に整列した民家は、アニメに出てくる非現実的な村に見え、妙に惹かれるのだ。寒いなか渓谷が見渡せる芝に座り込んで体をほぐし、眠気を取ってから出発した。目的地はまだ先だ。
Location
熊本県五木村
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花粉樹の紅葉。
梨棚の落葉が6割ほどか。もうちょっと葉を落としてくれないと落葉処理できない。とりあえず樹幹のまわりの雑草を刈り取り、熊手で枯葉を掻き出しやすくはした。落葉が8割を超えれば乗用草刈機で走り回って枯葉を砕き、土へ還す。土壌には梨に悪い常在菌がいるため、菌の苗床になる枯葉を砕いておきたいのだ。12月からは選定に取り掛かりたい。それまでに枯葉処理を終わらせれば心底ほっとできるだろう。花粉樹の葉だけはまだ紅く色づいてしばらく散りそうにないが、梨棚の花粉樹は僅か3本だから、いつ散ろうが気にするほどではない。赤いまま散らずに目を楽しませてほしいとも思う。
Location
山国梨棚新高園
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紅葉真っ盛り。
紅葉真っ盛りだ。バッテリーを使い果たして草刈りを中断し、帰路の途中で耶馬溪ダムに立ち寄ったが駐車場は満車。渓石園の広い駐車場まで観光客の車で溢れている。仕方なく山国川沿の紅葉を眺めながら自宅へ向かった。使い果たしたバッテリーを充電して自宅の草刈りと、伸び過ぎた生垣の剪定も残っている。できれば柚子も摘んでしまいたい。収穫が終わったこの時期はまだまだ忙しく、ゆっくり紅葉狩りというわけにはいかないが、軽トラの窓の外を流れる風景だけでも、耶馬溪の紅葉は見応えがある。
Location
耶馬溪町/山国川沿い
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庭の柚子を摘む。
庭の木に柚子が下がっている。まだ青いうちに摘むつもりでいたが、新高のコンテナを持ち込むと庭木は忘れるしかなかった。豊水の収穫が終わって新高に移行する頃、柚子はもう黄色くなっていた気がする。黄色になってからどのくらい日持ちするのか知らないが、とにかく全て摘み、ひとつを味噌汁に絞ってみた。果汁が多く酸味もちょうどよい。こんなに美味しいならもっと早く摘めばよかったと後悔し、これはもしかしてカボスなんだろうかと訝り、これ絶対カボスだろうと決めつけた。正直に言うと、カボスと柚子とすだちの違いはさっぱり判らない。
Location
カボスか柚子のどちらか
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蜘蛛の護り。
おやつにとっておいた新高を食べようとして、白い蜘蛛の巣が果口に張ってあるのをみつける。この新高を商品と区別したのは、たぶん綿埃に見えるコナカイガラの卵のうと見間違ったせいだろう。白く小さな袋状の巣は、突くと黒い蜘蛛が飛び出してくる。果口に蜘蛛がいるのとコナカイガラとでは意味が180度変わる。コナカイガラは害虫であり、蜘蛛は益虫だ。蜘蛛が住み着いた果口で害虫を見かけることはないし、梨袋の中だけでなく、梨棚全体から自宅まで蜘蛛は梨農家の味方だ。黒い蜘蛛を傷つけないよう巣を取り除き、洗ってから梨をカットし、タッパーに詰めて冷蔵庫へ放り込む。この新高は害虫にやられた廃棄梨ではなく、蜘蛛に守られた赤秀(高品質)の梨だったというわけだ。
Location
新高梨と蜘蛛の巣
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イチョウの広場。
収穫が終わって気持ちに余裕が生まれたのか、景色を楽しみながら運転している。以前から気になってはいたが、生活道路の先にあるため近寄りにくかったり、山の中腹で道が判らなかったりで行けなかった風景にも実際に行ってみたりもする。イチョウで黄色く染まったこの山の一角もそんな風景のひとつだ。山に囲まれた寒村では僅かな平地は畑になっていたり家が建つものだが、ここは不思議なことにイチョウの広場になっている。広場の端には墓地と民家があり、道の先は山の中へと消えている。足の踏み場がないほど銀杏が散らばっていて拾い集める人もいないようだし、雑草のない広々としたスペースに違和感を感じると同時に、美しい風景を維持している住人たちの苦労に感謝するような妙な気分にもなる。
Location
中津市耶馬溪町
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ひと雨ごとに。
本格的な冬が近づいている。今朝は朝から雨が降り、比較的暖かい。このあと晴れるとぐっと気温が下がり、雨が降ってはまた寒くなる。去年もそうだった。剪定鋏を握って最初の焚き火をやる日は吐く息が白くなっている。草刈りを予定していたが、電動の刈払機を担ぐには雨が重い。そろそろ選果場の片付けを始め、居間に絨毯を敷いてストーブを出さないといけない。冬はすぐそこだ。
Location
中津市耶馬溪町
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柿をもらう。
大きなビニール袋いっぱいの柿をもらう。ひとりではとても食べきれないと思ったが、食べ始めると案外食べてしまうもので、1週間もあればひとりで食べ尽くしそうだ。店で売っている大きくて立派な柿ではなく、小さいがとても甘い柿だ。皿いっぱい剥いた柿の最後の一切れを口に入れたとき、農機の整備士から連絡があり、修理した農薬散布車の整備レクチャーを受けることになった。11月も半ば、早く最後の防除をやってしまわないと寒くて仕方がない。週明けに会う約束をしたから、明日は伸び放題の草刈りをやる予定だ。
Location
耶馬溪町で採れた柿
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新高収穫終了。
ようやく収穫が終わった。きつい峠だった。今週末までまだ出荷は続くけれども、先週のように数を揃えることはもうできない。毎日少量の袋をつくって店舗の商品棚にならべることになるだろう。開放感に浸って帰路に着き、柿坂の橋を渡ってイチョウの大木のそばでコンビニコーヒーを啜った。明日は肥料を撒こう。たぶん山国梨団地でもっとも遅れた施肥だ。
Location
中津市耶馬溪町柿坂/大イチョウ
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雰囲気の良い古民家。
新高の収穫がほぼ終わった。明日は梨棚全体をまわって取りこぼしを降ろす予定だ。目にはまだたくさんの袋が下がってはいるが、袋の中にあるのは成長しきれなかった梨か、袋の中に落果してしまったものだ。ふつう廃棄梨は収穫の際に摘んでしまうのだが、その時間を惜しんだ。冬の剪定で枝ごと落とすか処理するつもりだ。果たしてそれでよいのか、正直なところよくわからない。梨ひとつはそれなりの重さがあり、また自然な落果まで木に与える負荷も気にはなる。気にはなるが冬に向かってやらなければならない作業が残っているし、肥料を撒いて防除もやらないといけない。収穫が終わってほっとひと息つけたものの、焦る気持ちがいつも拭えない。山を下りながら煙草に火を点け、軽トラを平田へ走らせた。のどかな田園風景を眺めると、いくらか気が休まるからだ。見知らぬ古民家を見つけ、雰囲気の良さに足を止めた。住人はもういないのかカーテンは閉じらている。人の気配があればもっとよいのにと思いつつ帰路に着いた。
Location
中津市耶馬溪町
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腰を痛める。
腰を痛めてしまった。横になると下肢から力が抜けない。眠りたいのだが、力を抜くと痛みが走る。原因はコンテナの運搬だと思う。梨を詰めるとひとつで20kgを超えるコンテナを8月からずっと抱えて、とうとう痛むようになった。幸い新高も終わるので、以後は無理しないようにしたい。冬から初夏までの半年はハサミより重いものを持つことはなくなるし、肥料は分けてから散布するので大丈夫だろう。出荷もあと数日で終了だ。
Location
中津市耶馬溪町耶馬溪ダム
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モミジのシール。
今日は山へ上がらず、出荷が済むとすぐ帰路についた。明日の土曜日に備えて大量の梨を用意しておくためだ。今週はずっと好調だった。このぶんだと明日は底なしに梨が売れるだろうと予想している。予想は大抵裏切られたりもするのだが、明日はたぶん大丈夫。中津市内の梨農家さんは収穫を終了しているし、山国梨団地も同じだ。しかも明日は雨があがる。気温も日中は15℃あたりで安定する予報、梨を求めてくれるお客さんが多いはずだ。というわけで、路肩の自販機でコーヒーを買い、煙草を満喫してから軽トラに乗り込んだ。路肩の排水路にはモミジの葉が山となって溜まっている。濡れた路面もシールを貼ったようにモミジが張り付いている。そろそろ上着を用意しないと。
Location
中津市深耶馬溪
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暗い日。
天気は下り坂だ。明日は終日雨の予報で、今日は朝から星が見えない。真っ暗な中、出荷準備を始め、ライトを点けて最初の出荷先へ向かう。今週末がたぶん忙しい出荷の最後となるだろう。ようやく終わると思うとほっとする。車外は寒く、今日は陽が差さないかもしれない。急いで山へ上がって雨になるだろう明日のぶんまで収穫しておかないといけないのだが、曇りの日はなぜか気分が乗らない。出荷のあとしばらく秋の田園をぶらいついてからようやく山へ向かった。
Location
中津市耶馬溪町
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黄色い世界。
10日ほど前、本格的な落葉はもう少し先になるだろうと踏んでいたが、昨年同様というか昨年のカレンダーの通りになってしまった。10日前の梨棚はまだ青々としていたのだが。それでも、まだ少し残った果実はしっかりしていて重い。今年は落果が多いものの充分な収穫ができたと思う。水浸はほとんどなく、過完熟によって柔らかくなったり、変形果も少なかった。子房の膨らみから収穫の終わりまでなんとなく掴めてきたようにも感じる。このあとは最後の防除と落葉処理が待っている。それが終われば本格的な冬がやってくる。
Location
山国梨棚新高園
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スターターの修理。
キャリーのリコイルスターター紐を取り替える。まずカバーを外さなければならないが、こんなに小さい径のスパナは持っていない。というわけで久しぶりに日田市へ向かい10ミリと11ミリスパナを買って来る。とんでもなく外しにくい位置にあるボルトをなんとか回して外し、リコイル部に間に合わせの紐を巻く。1時間ほどかけて紐を通し、なんとかエンジンを始動できたものの、間に合わせだけあって紐は緩んでだらっと垂れ下がってしまった。しなやかさのない古くて硬い紐は、たぶん擦れ合ってじきに切れてしまうだろう。それでもキャリーは動く。とりあえず良しとしよう。
Location
中古のキャリー
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暖かい雨。
久しぶりに雨が降りそうだ。予報では午後から。今にも降りそうだが、案外降らずに終わるかもしれない、そんな空だ。空が重いと山の明るい色彩がぐっと彩度を増して見え、紅葉が際立つ。梨棚の中も黄色く変色した葉のせいで明るい。11月なのに気温は高く、快適だ。あと少しで摘み終わる新高梨だが、運悪くキャリアのエンジンスターターの紐が切れてしまった。電動キャリアを起動したものの新高園の急坂に対応できず難儀する。明日にもレンチを買ってこないといけないなどと考えているうちに雨が降り出した。この時期には珍しい暖かい雨だ。
Location
山国町市平
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プチわらしべ長者。
三連休最後の日曜日。道の駅の搬入口は農夫たちで賑わっている。夏から毎日通っているせいか、朝の挨拶を交わすようになった人んも何名かいて、そのうちのひとりにクズ梨をあげた。クズ梨というのは文字通りのクズ等級という意味ではなく、フルーツキャップで保護しないB級品のことだ。もちろん商品になるし、価格の安いクズ梨を喜ぶお客さんもたくさんいる。梨をあげた農夫さんはブドウ農家で、お返しにとブドウをくれた。嬉しいが申し訳なくもある。まず価格が釣り合わないし、毎日梨の味見をしている者からすればブドウこそフルーツに思えるのだ。梨の収穫期はこんなことがよくある。クズ梨が米になったり大量の野菜やキノコになったりする。そういえば、隣家にわけた巨大な新高が梨の天ぷらになって帰ってきたが、これがけっこう美味しいのはちょっとした発見だった。
Location
新高梨とブドウ
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カエデの大木。
溜まりに溜まった廃棄梨を処分するため山へあがる。山国に住んでいた頃は山を近くに感じたが、山国を離れると山の裏手を遠く感じる。たんに往路から外れているせいなのだが、気分的にやたら難儀なのだ。廃棄梨はコンテナで3杯ぶん。これを鬱蒼とした斜面に転がす。山国の山で産まれた果実を山の土へ還す、と言いたいところだが、実際にはタヌキ、ムジナ、イノシシそして新参者のアライグマの胃に収まっている。累計するとかなりの数の梨を転がしているけれど、梨の痕跡はどこにもない。軽トラの荷台に幌を被せると、面倒な作業が終わってほっとする。山の裏手を下ると運動場があり、サッカーコートの脇に立派なカエデの木が見える。早いもので、今年で4回目の紅葉だ。
Location
山国町平小野
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梨棚の落葉はじまる。
青々としていた新高の葉が、黄色に染まってきた。まさかこんなに早いとは思わず、梨棚の下を歩き回ると、梨を摘み取った木ほど葉が変色している。このぶんだと10日まで待たずに全て変色するかもしれない。去年は葉の色を気にせず収穫を進め、日記を読み返すと19日に今年最後の防除をしている。最後に摘んだ梨の状態がどのようであったか記憶にないのは、闇雲に収穫したせいだ。今年は去年よりも早く収穫を終えそうだが、少なくとも葉の色と落葉を気にする程度には気持ちに余裕が生まれている。
Location
山国梨棚新高園
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朝焼け。
寝坊してしまった。朝の出荷で三光のあたりを通過するときは、朝日がまだ見えないのだ。薄暗いなかライトを点灯して走り、いつもの自販機前で缶コーヒーを買う。煙草に火を点け一本喫い終える頃に朝日の輪郭が見える。今朝は10分ほど遅れて三光を通過した。たった10分だが、この遅れのせいで価格シール出力の列の最後尾に並ぶことになるのだ。生花や野菜、弁当やパンを搬入口に持ち込んだ老人たちはパソコンの操作が遅い。遅い上に品目が多いから操作時間も長くなる。いっそ諦めて搬入だけ済ませるという手もあるけれど、明日の分のシールが手元にあると明日の搬入もスムーズになる。迷いながらも仕方なく列に並び、自分の番を待つ。10分の遅れが30分に膨らみ、道の駅なかつを出たのは7時30分を過ぎてからになった。
Location
中津市三光
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消えてゆく農夫。
突然の訃報があり通夜直前の夕方、山国町へ向かった。昨夜のことだ。不幸があったのは山国梨部会の中心人物で古株のひとりだった。昨年も老農夫がひとり引退され、二年続けて2名の梨農夫が山国町から消えたことになる。故人は梨づくりに一家言あり、家族も認める仕事好きな人物だった。梨棚のそばに家を建て、見かけるのはいつも梨園の中、こちらの軽トラに手を振って挨拶してくれた。霊前に手を合わせて気付いたのは、その蔵書の多さだった。本棚に並べきれない文庫本が棚の隙間に押し込んである。梨の知識量を裏付ける蔵書は、おそらく他の部屋の本棚にもたくさん並んでいるのだろう。惜しい人を亡くしたと思う。心からご冥福をお祈りしたい。
Location
道の駅やまくに
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耶馬溪の紅葉。
週末、観光客を多く見かけるようになった。普段はまったく混雑することのない柿坂の交差点に車列ができ、近くの商施設駐車場も車両でいっぱいだ。耶馬溪の紅葉といえば一目八景だから、峠へ接続するこのあたりが混雑するのだろう。英語だけでなく、アジアの言葉もよく耳にする。こんなところまでやって来るんだなあと驚かされつつ軽トラを移動する。のんびり煙草を喫ってられないからだが、車窓から眺める紅葉だけで案外満喫できたりもして、一目八景には近づかず、耶馬溪ダムを横目に直進して帰路に乗る。午後は急ぎの選果が待っている。
Location
中津市耶馬溪ダム
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寒い日のカエル。
新高を収穫していたら枝の上から何かが落ちた。梨袋を留めていたナイロン紐を入れるゴミ袋にガサっと音を立てて止まり、よく見るとモリアオガエルだった。午前中はもう寒く、カエルたちが鳴いていたのはもう1ヶ月以上前のことなのに、まだ活動しているようだ。そういえば確か去年も紅葉の時期にカエルを見た。長い時間活動しているということは、おそらく春先から冬の入り口まで大量の虫を食べてくれたはずだ。弱々しくジャンプしようとするカエルを捕まえ、もと居た枝の上に帰してやった。カエルだけでなく、クモや蜂とハチアブからテントウムシまで梨棚にやってくる益虫たちには、来年も変わらず頑張ってほしい。
Location
山国梨棚新高園
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つや姫稲荷。
道の駅やまくにの近くにある広場に、つや姫稲荷の社と鳥居が設置されていた。かかし祭りが近いのだ。間もなくかかしも設置されて賑やかな広場になるだろう。かかし祭り期間中の週末になるとつや姫の販売もあるようで、普段はひっそりと静かな広場に人だかりができる。そういえば、つや姫を食べたのは山国町に引っ越ししてきてからで、それまではその名すら知らなかった。炊飯器を買い、初めて炊いたつや姫は、外食しかしてこなかった者の舌を驚かせ、それ以後は米だけを食べる食事となった。料理ができないというのがその理由でもあるのだが、フリーズドライの味噌汁と炊いた米があればわりと幸せだ。
Location
山国町市平