-
鳥の巣。
摘果が終わって袋掛けが始まるあたり、毎年決まって鳥の巣を見つけるが、今年はひとつもなかった。鳥の種類は判らないし、いつ卵を温めていたのかも知らない。ただ使用済みの小さな巣を見つけるのだ。袋掛けはもうそろそろ終わる。その最後の列に脚立を立てた時、主枝の先端に掛けられた巣があった。冬の剪定までこのままにしておこう。
Location
山国梨棚新高園
-
伸びた猫。
暑い1日。収穫期の8月にジャンプしたかのように不快だった。コンビニに住み着いた猫は駐車場の隅で伸びている。幸い強い陽射しは午前中まで、午後は曇りからにわか雨となり、猫達は雨を予想していたのかもしれない。この調子で7月に突入すると灌水は必須となる。毎日ポリバケツで苗木へ水を運ぶ毎日となりそうだ。
Location
山国町ローソン駐車場
-
雨上がる。
青空が戻った。同時に30℃超えの陽射しも。朝からあちこちで農薬散布車を動かす音が聞こえ、こっちも遅れないよう車両を新高園へ移動させる。防除は4時間ほど。気温が上がる前に終えてしまいたい。青空が見えたからといって、ぬかるみがすぐ乾燥するわけでもなく、慎重に車体を進める。農薬散布の終了まであとひと月。次はいよいよ収穫だ。
Location
山国梨棚新高園
-
大きな落石。
長雨のあと。農道に木切れや砂利が散らばるのはふつうのことだが、たまに岩が転がっていることもある。大人ひとりの力では動かない岩だ。おそらく道路に転がり落ちた岩を数名で道路脇に運んだのだろう。今朝も転がった岩を見つつ山を上った。怖いのは、運悪く落石や土砂崩れに遭遇する不運だ。豪雨や雷雨の最中は山へ上がらないか、すぐ下山するべきだろうとは思う。なかなかそうは出来ないのが現実だったりもするが。
Location
山国町市平
-
雨に邪魔される。
午後に雨が激しく降った。1時間ほど軽トラに避難し、雨後に袋掛けを再開した。せっかくリズムが掴めていたところを中断されると後はぐだぐだになる。枝には水滴が残って子房に袋を被せると顔に降りかかってくる。予定していた枝までは到達できなかった。明日はヘルプの農夫さんが来てくれる最終日だ。少しでも多く掛けてしまいたい。
Location
山国梨棚新高園
-
濡れた新高の子房。
新高の子房が濡れ続け、前回の農薬散布から総雨量100ミリはもう超えている。つまり農薬の防御は流れ去り無防備な状態というわけだ。このまま袋を掛けてしまってよいのか不安はあるけれども待ってもいられない。黙々と雨に打たれながら袋を掛けるばかりだ。明日降ればあとは一時的ではあるが雨は上がる。その隙に農薬散布車を走らせ雑菌の活動を抑え込む。7月まであと少し。黒星病が鎮まるまですぐだ。
Location
山国梨棚新高園
-
新高の収穫予想。
短い晴れからまた長雨。濡れた作業着で仕事をやる日々がまた始まった。手袋は絞れば雨水が滴る。新高への袋掛けは終わりが想定できるほどには進んだ。ヘルプの農夫さんもそろそろ引き上げの頃合いだ。今年の収穫は、掛けた袋の数から例年の半分もないとはっきりする。主力の新高がこれでは寒い夏になりそうだ。
Location
日田市天ヶ瀬町
-
高原を走る。
食事に誘われて阿蘇市まで走った。人と会う予定が2つ入った珍しい日で、午前中に仕事を切り上げて約束を果たした。久しぶりに走る瀬の本から阿蘇市だが、夜の帷が降りつつある中でも景色は雄大で美しい。日々梨棚に縛り付けられていると、たまには無理をしても休みを取るべきだと感じる。
Location
熊本県南小国町瀬の本
-
花の壁。
梨棚のある市平の集落の高いところに小さな社がある。社のまわりにはサツキだろうか、社を覆い隠すほどの壁となって開花している。昇り坂の上にあるから市平の集落に来るとまず目立つ。市平に住む女性が植えたと聞いたが、梨棚のまわりに植えられた草花も農婦さんたちの手によるものだ。花のある景色はよい。
Location
山国町市平
-
消えた梅雨。
暑い1日だった。いつもより1時間早く山へ上がり、防除を済ませてから軽トラを修理に出した。ブレーキに問題を抱えていてどうにも放置できなくなったからだ。山はゆるい風があり、日陰で静かに風を受けているぶんにはいいが、合羽を着込んで太陽に晒され、農薬散布車を動かしていると倒れそうになる。そこから休む間も無く修理工場に直行し、軽トラの調子を見ていると気分が悪くなってきた。夏の入り口の山では、熱で体調がおかしくなる日が必ずある。修理が無事完了して残った時間で新高の袋掛けをやり、自宅へ戻って涼しい夕方の風を浴び続けた。梅雨前線は何処へ行ったのだろう。
Location
日田市天ヶ瀬町
-
玖珠町のメサ。
玖珠町にあるメサ。遠くから見てもそうと判る特徴的ある台地だ。硬い岩盤が侵食されずに残るとメサ台地となるようで、柔らかい土地が玖珠の街になったのだろう。メサにはハングライダー施設があるようで、よく見ると豆粒サイズのカイトが飛び交っている。この季節に空の散歩はさぞや気持ちいいだろう。未経験者が施設を訪れたところで飛べるとは思えないので、こっちは下から眺めるばかりだ。
Location
玖珠町伐株山
-
援軍到着。
梨団地の農夫さんが援軍で来てくれた。今日で2日目となる。さすがに手慣れた袋掛けは山国で最速。2人で掛け始めると、1日で横1列という夢の速さが実現する。とはいえ、農夫さんは他所の園にも呼ばれており、ここにあと何日来てくれるかはっきりしない。しばらく晴れが続いたあとまた長雨が予想される。それまでにひとつでも多くの袋を掛けておきたい。
Location
山国梨棚新高園
-
強風の日。
凄まじい強風の日だった。雨が降ったり晴れ上がったりと山の空らしい天気で、袋掛けに使う耐水紙の袋が風に煽られて何度も手から離れ飛んでいく。突風が止むのを待って袋を広げるから効率が悪くて仕方ない。特に強い風は山の高いところの木々を揺らしたあと梨棚を叩いて抜けて行く。棚全体が浮いて支柱が抜けるんじゃないかと心配するほどだ。山を下って玖珠町の滝を通過するとき滝の様子を見たが、その頃にはもう風は止んでいた。長雨で水量を増した滝はなかなか見応えがある。
Location
玖珠町慈恩の滝
-
重い雨。
1日の仕事が終わってから雨が降り始めた。重い雨。自宅へ到着する頃には激しくなり、このまま明日いっぱいこんな調子で降り続くだろう。雨でずぶ濡れになって袋掛けするのは仕方がないと諦めているが、鬱陶しいことに変わりはない。頭を上げれば雨が顔を叩き、手袋から雫が滴る。毎日こんなふうだと体調を崩さないか不安になるし、雨に隠れて作業パンツに忍び込んでくるダニも気になる。梅雨明けはまだ先。乾いた枝を触りたい。
Location
日田市天ヶ瀬町
-
泥沼になる新高園。
新高園が長雨で沼化しつつある。そこへ防除で農薬散布車を走らせたものだから通路は泥で覆われて長靴が抜けそうになる。もちろんそんな地面では農薬散布者も満足に走らない。傾斜の昇りではタイヤが空転して、ブレーキを踏むと車体が滑落する。もし梨の木に当ててしまえば車体が破損するだろう。梅雨時期の防除はいつも気が重い。雨が上がったところで、地面が落ち着くまで数日要る。梅雨明けが待ち遠しい。
Location
山国梨棚新高園
-
やまない雨。
天気が読めない。梅雨はいつでもそうだが、数時間後でもどうなるか判らない。今日も午前中に雨が上がり、そのまま曇りか小雨だろう、明日は雨足が弱まるはずだと踏んでいた。ところが午後遅くになって雨は激しく降り、袋掛けを中断しなければならなかった。明日は農薬散布を急遽予定したものの、どうなるか判らなくなった。地面はとても緩く、やるとすれば走れない通路で十分な散布は出来ないだろう。それでも雨が上がればその隙間に車両を動かすつもりでいる。
Location
日田市天ヶ瀬町
-
日没の虹。
終日雨だろうと思い込んでいたが、午前中から雨が上がった。細い雨が落ちてはいたけれど気にならない程度。おかげで袋掛けが捗った。梨棚に到着すると地面は案外しっかりしていて、だったら農薬の散布をやるべきだったかもしれない。明日からまた雨。前回散布したぶんはすっかり落ちてしまっているだろう。次の機会は読めず、週末まで終日雨が続く予報だ。ぽつぽつ雨が落ちるなか自宅へ戻ると、日没の虹が出ていた。
Location
日田市天ヶ瀬町
-
長雨はじまる。
長雨に突入。朝から雨が止まない。今日と明日は雨量に注意、以後は弱い雨が続く予報。袋掛けに遅れが出るのはそうだが、気になるのは防除のタイミングだ。間断なく振られると、農薬の散布が出来ない。1週間ずっと降り続けばどこかで強行しなければならず、少しでも止む隙間があればそこで実行することになる。地面は緩み、農薬散布車が横滑りする危険な梨棚で農機を動かすのは気が進まない。どこかで雨は収まると予想しているけれども、楽観的かもしれない。今年の梅雨は厄介な気がするのだ。
Location
山国梨棚豊水幸水園
-
袋掛け開始。
新高の袋掛けを開始する。生憎の雨で大して捗らなかったが、今年の新高は凍害にやられて実りが少ない。摘果をやるまでもなく袋を掛けつつ子房が落とせる。とはいえ処理しなければならない木は多く、それなりに時間を費やしそうではある。6月は短く感じるだろう。7月の早いところで決着しないと8月は幸水の出荷が始まる。雨が本降りとなったのは夕方。もう少し粘りたかったが、体が濡れる前に山を下り、道の悪い玖珠の山を抜けて雨の高原風景のなか帰路に着いた。
Location
玖珠町古後
-
玖珠町の牧草地。
古後の牧草地。ときどきこの道を選んで自宅へ戻る。近道なのだが酷道でもあるため対向車はまずないのが良く、景色も最高だ。週末から天気が崩れるし、新高の袋掛けが待っているからしばらく来れそうにない。ゆっくり走って玖珠町へ下りることにする。
Location
玖珠町古後
-
スイカズラを刈る。
スイカズラがそろそろ終わりそうだ。匂いが遠くなってきた。鉄柵に絡み付いた花を落とすのは忍びないが、ちょうどこの頃、豊水の摘果が終わるあたりで刈り取る。野薔薇やカズラと絡み合って鉄柵に乗り掛かり、やがて引き倒してしまうからだ。スイカズラの香りは特別だ。人工的な匂いにはない甘い匂い。勿体ないけれど梨棚の設備維持のためには仕方がない。
Location
山国梨棚豊水幸水園
-
間抜けなアイデア。
よく晴れた朝。こんな日に限って予定がある。運転免許証の更新だ。貴重な午前中がこれで潰れた。新しい免許をもらって急いで山国の山へ上がり、最初にやるべきことは灌水だった。バケツに水を注いで幸水の苗木に撒くのだが、そこで要らないことを考えてしまう。乗用草刈機に乗せて運べば楽じゃないか。なのだがやってみると水が溢れるし効率もたいして良くはない。おまけに水を撒き終えて思い至ったのは、農薬散布車でやればもっと楽だったということ。しかし次に考えるのは、それも面倒。結局、己の腕で運ぶしかないのだ。
Location
山国梨棚豊水幸水園
-
いろいろ壊れる。
午前中まで残った雨は午後に止んだ。その後は青空が広がり、さあ摘果に集中だというところで長靴が裂けた。もともと小さな穴が空いてたところに無理な力をかけたようだ。雨は上がったが土は濡れていて靴下に泥が滲む。帰り際には安物の安全靴のソールが外れ、摘果鋏を石の上に落として鋭利な先端が折れた。こんな日もある。ナフコに寄って帰ることとなった。
Location
山国梨棚豊水幸水園
-
豊水園の草刈り終了。
豊水園の草刈りがようやく終わった。毎朝少しずつ刈り取りつつ時間を食われたくないから摘果を優先した結果だ。刈払機がバッテリー駆動という理由もある。梨棚全体を刈り取るには何度も充電を繰り返さないと電力がとても足りないからだ。豊水の摘果ももうじき終わる。次は新高の袋掛けだが、新高園の草刈りは手付かな上に法面が広い。気温が高くなってくると斜面にへばりついてやる草刈りはほぼ苦行となる。
Location
山国梨棚豊水幸水園
-
麦畑。
麦畑が金色だ。風が抜けると水面のような波に揺れている。刈り取りの時期がいつ頃なのか知らないが、目を楽しませてくれる風景が消えてしまうのはちょっと残念だ。麦畑のまわりは牧草地なのか白い牧草ロールが規則的に転がされている。毎朝、この風景の中、山国の山まで走るのは苦ではない。できればもう少し近いと言うことなしなのだが。
Location
玖珠町山下
-
はっきりしない空。
午前中から雨の予報だった。気温は高くない。雨に濡れれば体が冷えるだろうから午後は温泉に浸かる予定でいた。ところが正午前から青空が見え、雨が降る気配はない。降らないに越したことはないけれど、体は温泉モードになっている。広い浴槽で足を伸ばしているところを想像しつつ、結局いつもの時間まで梨棚で粘ることになった。温泉に向かったのは暗くなり始めてからだ。
Location
山国町市平
-
立ち枯れる竹林。
竹林に色がない。この時期は青々としていた気がするが、葉を黄色くしてものが多く、立ち枯れているものもある。天ヶ瀬町から玖珠町、山国町の竹林も似たような感じだ。竹は花を付けると枯れると聞いた気がするが、そのサイクルは100年前後の筈。もしそうなら貴重な経験となるのだが、竹林はだいたい柵に囲まれていたりと近寄り難い場所にあり、また背も高い。竹林が消えてしまうとすれば寂しいが、花は種を落とし、その後数十年をかけて元に戻るのだそうだ。
Location
玖珠町古後
-
苗木の灌水。
数日前に降った雨でしばらく地面が緩かった。地面の緩みは仕事の邪魔になるものの、梨の木には水が要る。特に子房を太らせている今、雨は必須だ。数日後の今日、朝から晴れて地面が固く乾燥してしまっている。気温は25℃前後か。ポリバケツを農具小屋から取り出し、今年も苗木の水やり開始だ。草刈りが進んで苗木の樹幹を保護していた雑草を刈り取ってしまったため、これまでしっとり湿っていた苗木周りの土も固い。バケツを持って5往復。仕事を始める前にたっぷり汗をかいてしまった。
Location
山国梨棚豊水幸水園
-
喉の渇き。
朝は上着がいるほど寒く、昼は暑くなる。寒暖差は10℃を超えている。この時期はまだ梨棚の中にいれば涼しく過ごせるのだが、寒い朝に準備した水が暑い昼間を想像できずに少なくて足りなくなる。山を下りる時間になると喉の渇きが我慢できなくなり、水田の水路を流れる清流のせいで道の駅に寄ってコーラを買ってしまう。体によくないと思いつつも、これが美味いのだ。
Location
山国川源流域
-
袋掛け終わる。
袋掛けが終わりそうだ。と言っても他所の話。梨団地の農夫さんの新高園だ。この農夫さんは他にも新高園を管理しており、続けてそちらに取り掛かる。おそらくこっちが新高の袋掛けに取り掛かる頃には終えていることだろう。仕事の早さはとても重要だ。この農夫さんと同じ速度が出せれば、草刈りも防除も、もっとゆとりを持ってやれるし、丁寧に進めることもできる。剪定、摘果、袋掛けと就農したばかりの頃より早くはなってはいる。しかし、まだまだ足りていない。
Location
山国町東部梨団地