• |  山国町の梨農家の日記  |

  • 豊水、優秀賞受賞。

    中津市の農作物品評会で梨棚メンバーが優秀賞をいただいた。嬉しい限り、感謝したい。1年間ほぼ休みなく梨の世話を続ける梨農家だが、その苦労がちょっとでも報われた瞬間でもあると思う。9月の後半には次の品評会が控えている。狙って獲れる賞ではないため、万全の品で望みたい。

    豊水、優秀賞受賞。

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    山国梨棚流線園

  • イノシシの侵入。

    夜間にイノシシが侵入しているようだ。どこから入っているのか駐車場の地面を掘り返してる。イノシシの生態に詳しくはないが、土の中のモノが好物なようで野菜や虫を鼻先で掘り返した土に見つけているらしい。梨棚の中には落果した梨があり、食べているのかは判らないけれど土を掘り返してはいない。去年もそうで、掘るのは必ず駐車場と決まっていて、踏み固められた園内では掘るのが大変なのかもしれない。収穫が終わったら鉄柵の点検をしなくては。

    イノシシの侵入。

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    山国梨棚豊水幸水園

  • 回復する水量。

    台風10号が去って山の水路の水量が安定している。いっときはからからに乾いて干上がっていた。山国川上流域も水量が戻り、いつもの美しい川の流れだ。雨のせいで中断していた収穫がようやく安定して、収穫したその日に選果をやるという危険な橋を渡らなくてよくなった。ひとつひとつの梨をよく検品すれば、果実異常はある程度予測できるが、出荷を控えたその数全てに対して神経を尖らせられない。やはり時間の経過で異常を発見するのが安全なのだ。今日収穫したぶんは選果場の隅に起き、昨日収穫したぶんの選果をやる。終了はいつも深夜になる。

    回復する水量。

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    山国川上流域

  • 秋の気配。

    早くも広葉樹の葉が赤く染まり始めた。昼の残暑と夜間の温度差は10℃ほど。日当たりの良い路肩の樹木ほど葉の色が変わっている。まだ9月になったばかり。豊水の本格的な収穫はこれからだが、早くも秋の気配はゆっくりとではあっても近くに感じる。

    秋の気配。

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    耶馬溪町/渓石園

  • 高い空。

    残暑が戻ってきた。朝夕は気温が下がるものの農作業をやる昼は変わりない。あさから出荷先をまわり、収穫して選果をやる間はずっと汗をかいている。それもあとひと月だ。新高の収穫が始まる10月になると朝はもう肌寒い。出荷準備に忙しい早朝は長袖を着ているはずだ。今のところ想像しにくいけれども、出荷に向かう早朝の空を見上げるとやけに高く感じる。気のせいだろうが、空が高く見えるようになると汗だくの昼はもうじき終わる。

    高い空。

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    中津市三光

  • カメムシの食害。

    カメムシの多い夏だが、豊水園に被害はほぼ見られない。ときどき食害の跡が見られたが、無視してしてよい数だ。そして今日の収穫の最中、食害の跡を見つけ、その酷さに笑ってしまった。カメムシの習性なのか、分散して食い荒らすというのは数が多いときだけで、数匹であれば何故か1箇所に集まる。豊水の実は注射器で刺して吸引されたかのように凹んでいる。数千数万という頭数が揃えば、梨棚全ての梨がこうなってしまうのだ。食害された豊水を枝から下ろして辺りを見て回ったが、他に食われた豊水はなかった。台風に虫に鳥と獣。梨の世話は大変だ。

    カメムシの食害。

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    山国梨棚豊水幸水園

  • 去ってゆく台風。

    昨日の朝、苦労して届けた豊水だが、その後店舗の臨時休業で売れ残ってしまったぶんを、雨のなか回収しなければならなくなった。台風の脅威は去りつつあり、とくに大きな被害を出さなかったことに安堵しつつも、出荷待機中のコンテナが溜まって頭が痛い。たった2日の待機でも、熟れた梨のなかには色が変わってしまうものもあり、選果のやり直しで朝から忙しい。台風は充分な水を運んできてくれた。木に下がっている小さな豊水が太ってくれると良いが。

    去ってゆく台風。

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    中津市三光

  • 防風ネット追加。

    出荷先が台風接近で臨時休業のため出荷作業を中止。強い風が吹くなか山へ上がり、新高園の降ろし忘れていた防風ネットを棚から下げた。新高園は外周にくたびれた防風ネットがあり、内側にもう一枚、園を二分するネットがある。内側のネットは農機を通すため普段は上げているため、台風が来るたびに紐をほどいて垂らさないといけないのだ。風は強く、軽トラのドアを開けると体がドアごと運転席に押し戻されるほどで、ネットを1枚追加したところで効きはしないだろうとは思う。思うけれどせっかく設置してあるのだし、まあやるかという気分で作業を進めた。台風の通過は明日になる。

    防風ネット追加。

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    山国梨棚新高園

  • 午前6時、晴れ。

    朝の雨を心配していたが中津市街地は穏やかな天気。内陸部では降っているようで、海岸へ向かう車両は車体が濡れている。まだ危機的な状況から程遠いけれど、これから空模様は急に悪化するのかもしれない。道の駅の搬入口では、生産者が集まる建物だけあって台風の話題で持ちきりだ。台風の進路によっては山国町をかすめるかもしれず、今後の進路予報から目が離せない。

    午前6時、晴れ。

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    中津市三光

  • 太る豊水。

    数日前の夜間、山国の釣鐘山に5ミリの降雨があり、それがきっかけなのか判然としないが、豊水が太り始めた。と言っても木によってまちまちであり、肥大する前に、小さなまま熟してしまった実も数多くある。だから今日はなるべく大きな豊水を摘んでまわり、明日からの台風のせめてもの抵抗とした。10mの風が吹き荒れれば落果は避けられない。収穫を急いだ農家も多いことだろう。こっちは運を天に任せることとした。

    太る豊水。

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    山国梨棚豊水幸水園

  • 台風10号九州へ。

    台風10号が西寄りのルートで北上している。早々に東へ舵を切るだろうと思い込んでいたのに、際どい進路で目が離せない。雨のない今年の夏、雨雲を運んできてくれる程度だろうと喜んでいたが、最悪の場合、梨棚に被害が及ぶかもしれない。いまのところ風速5メートルに1ミリから3ミリの長い雨と、許容できる予報であり、農家は雨を待っているのだが。更に西寄りとなると判らない。

    台風10号九州へ。

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    中津市耶馬溪町

  • 雨を待つ。

    降りそうで降らない雨。昨夜山国町にまとまった雨が降ったようだが、山はそうでもなかった。降雨計は僅かな値しか示しておらず、それでも降らないよりはマシな状態だ。台風が近づいているが、雨を期待しつつも暴風は困るという身勝手な願いがどこまで通じるのか。今朝、山へ上がると、苗木の水やりは必要ない程度には、地面が湿っていた。雑草も水滴を帯びて長靴で歩くとしっかり濡れる。台風の接近は水曜日。週明けからの穏やかな雨に期待する。

    雨を待つ。

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    中津市三光

  • 豊水出荷開始。

    豊水の出荷開始。といっても少量、ゆっくりのスタートだ。日に当たって早くも熟しつつある豊水だけを収穫するため、選果も早い。つい1週間前までひっそり静かだった豊水だが、唐突に色付き収穫を早めた感じだ。明日は待望の雨予報。朝早くから動いて、降雨の前にもう少しちぎっておこうと考えている。

    豊水出荷開始。

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    山国梨棚豊水幸水園

  • 細くなる山国川。

    まとまった雨が降らないまま8月が終わろうとしている。農道の脇を流れる水路から水がなくなり干上がっている。豊水は太らず全体的に小ぶり、このまま降らなければ新高にも影響が及ぶだろう。山国川の流れも浅く細くなり、胸までありそうだった深みが今は長靴で歩けそうだ。屋外が暑すぎるせいか、去年まで見かけた水遊びをする子供の姿も見当たらない。週末は雨の予報だが、これまでほぼ降らずに来たため雨の予感がしない。台風が発生して九州をかすめそうな予報円ではあるけれど、どうなることやら。

    細くなる山国川。

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    山国町草本

  • 忌避剤追加購入。

    昨夜、自宅のまわりをうろつくムジナを見かけたため、梨棚で使った忌避剤の残りを蒔いた。ムジナがうろつく原因をつくったのは自分。虫食いの幸水を捨ててしまったのだ。効果のほどは高く、翌日から砂利を踏む足音を聞かなくなった。そして今日、灌水のついでに豊水を見回っているとイノシシが侵入した跡を見つけ、さっそく忌避剤を1kg追加で買ってきた。鉄柵に沿って散布すれば土を混ぜ返されなくなるかもしれない。豊水の収穫開始はもうすぐだ。

    忌避剤追加購入。

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    中津市大貞公園

  • 虫罠の追加。

    苗木の灌水を終わらせてから、虫罠に使う日本酒を追加してまわった。罠といってもそんな大袈裟な仕掛けではなく、穴を開けたペットボトルを棚に吊るしてあるだけだ。ペットボトルには少量の酒が注いである。これだけでも案外、蛾やスズメバチが獲れるのだ。酒には酢と砂糖が飽和状態ぎりぎりまで混ぜてあり、ペットボトルにはカナブンまで入っていることもある。少し気になるのは、初夏まであれだけ飛んでいたスズメバチを7月以降はまったく姿を見かけなくなったことだ。豊水の収穫が始まれば姿を現すのかもしれないが、毎年見かける蜂を見ないのはどこか不安を感じる。

    虫罠の追加。

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    虫罠ブレンド

  • 幸水出荷終了。

    幸水の出荷が終わった。1年でいちばん暑い時期の出荷が幸水だから、あとは段々に過ごしやすくなる。しかし、過ごしやすさに反比例して、豊水、新高と出荷は大変になっていく。単純に木の数が増えるからだ。新高園には花粉樹の他は基本的に新高のみ。枝の数本に豊月があったりはするがほんの僅かだ。しかも新高には袋が掛けてあるため、収穫の後に袋を取って集めるという作業が待っており、これが地味に鬱陶しい。とはいえやるしかないのが現実。数日後から再始動する豊水の収穫に集中するだけだ。暑いけど。

    幸水出荷終了。

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    中津市耶馬溪町

  • 乾いた山。

    雨の気配。はまったくない。天気予報は目まぐるしく変わり、たったいま17ミリ降っている筈が1ミリに更新され、現地では遠雷だけ届いて乾き切っている。幸水の収穫が本日終了し、次は豊水。収穫の前に是非雨が欲しいところだ。豊水の味見をしてみると、まだ味が乗っておらず、いましばらく足踏みとなる。日本の東側に集中してしまった台風のひとつでも西のルートを辿ってくれればよかったのだけれど。

    乾いた山。

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    中津市三光

  • 梨組合員の訃報。

    山国町東部梨組合員がまた1人いなくなった。去年引退した最高齢の熟練農夫さんだ。帰宅して喪服に着替え、中津市街地の斎場で最後のお別れをした。見慣れた顔がそこにあって、眠っているような顔に手を合わせた。斎場の駐車場は寂しく、蒸し暑く、不思議と自分の最後に立ち会っているかのような妙な気分になった。最後は1人がよいな、と思う。

    梨組合員の訃報。

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    豊後高田市真玉海岸

  • 幸水に潜む蜘蛛。

    電動キャリーの補助輪が抜けてしまった。いったいなぜこんなことになるのか解らないが、軸を飛び越してタイヤが外れた。タイヤが無くとも動作には問題ないはずなのに、補助輪の軸が土を噛んで動かない。こうなってはお手上げ。早々に諦めて体力まかせの収穫となった。そしてこんな日は悪いことが連鎖するもので、驚いた拍子に大きな梨を土に落としてしまった。驚いた原因は梨に潜む蜘蛛で、勢いよく手のひらにぶつかってきたので蜂と勘違いして手を離したのだ。蜘蛛の名前は知らないけれど、こうやって梨の窪みに潜んで害虫を排除してくれる益虫。潰さないよう落とした梨に移して作業を続行した。一度落ちた梨はもったいないが、すぐに痛む。捨てるしかない。

    幸水に潜む蜘蛛。

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    山国梨棚豊水幸水園

  • 中津港。

    毎日暑く雨も降る気配がない。今日の午後から即売所がお盆休みとなるので、早朝の出荷を急いで済ませてから再び中津市街地へと買い物に戻った。海岸は静かでよい気分転換にはなるが、ちっとも涼しくない。それどころか潮風がベタついて不快だ。中津市の海はほんのちょっとしかなく、そのほとんどは工場と水田に面していて、景色もよくはない。それでも海は海。コンビニでアイスを買ってから商施設の並ぶ大通りへ向かった。

    中津港。

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    中津港

  • 午前6時30分。

    日課となった早朝の出荷。高規格道路を降りて田園風景を走ると太陽がちょうど昇る。すれ違う車はほとんどなく、出荷先まで直線が続いている。冷房の必要はなく、窓を全開に快適な往路だ。しかし、出荷後の復路はそうはいかない。車内の気温は急上昇して汗が噴き出る。いったいいつ迄この天気が続くのか、いつ雨が降るのか。幸水の収穫はそろそろ終わりが見えてきた。次は豊水。雨のない乾いた地面が気になる。順調に成長してはいるのだが。

    午前6時30分。

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    中津市三光

  • 快晴の搬入。

    朝4時に起きて出荷準備をやる。外が暗い時間は風も涼しく作業が捗る。昨夜やりかけていた袋詰めを終わらせ、価格シールとロゴを貼ると明るくなっている。道の駅なかつの搬入口が開くのは7時、10分前には到着を心掛けている。シャッターが上がるとだんだんに人が増え、ぼんやりしていると価格シールのプリンターに長蛇の列ができてしまう。そうなる前に出力を済ませたいからだ。搬入した荷をスタッフさんに任せて次へ向かう。長く暑い1日の始まりだ。

    快晴の搬入。

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    道の駅なかつ

  • 再び足湯へ。

    最後の出荷を済ませて買い出しに中津市街へ向かい、帰りに足湯へ寄った。高規格道路の終点に足湯はあり、そこからだとすぐ帰路に着けるからだ。通り雨がきそうな雲行きで陽射しはないのにしっかり暑い。誰もいないのだから体ごと湯船に浸かりたい気分。汗を流して海風に当たれば気持ちよさそうだ。家に戻れば戦果が待っているが、しばらく面倒は忘れてぼんやり海を眺めた。

    再び足湯へ。

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    中津市田尻崎/大和の足湯

  • 大きな幸水。

    500gを超える幸水が収穫できた。梨棚の中ほどに集中しており見落としていた。なぜ見落としていたのかというと、これまで小さな収穫しかできなかった列だからだ。逆に去年大きく実らせた列は今年はさっぱりだ。原因は新梢の数だったりもするかもしれないが、正確には判らない。3年目の古い枝もあるし樹勢はどこも弱い。まあそれはともかく結果オーライということで、勇んで収穫に取り掛かった。気温は体感で35℃を超えている。冷水をガブ飲みしつつ、いただいたブドウを噛んだ。

    大きな幸水。

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    幸水とナガノパープル

  • 耶馬溪の田園風景。

    幸水の出荷から2日目。朝6時に配送を始め、途中で山国での収穫を挟み、最後に本耶馬溪のJAをまわって帰宅するとだいたい午後3時。この間、ずっとド田舎の田園風景のなかにいる。時間に追われて急く気持ちが、軽トラの外を流れる景色と熱気で麻痺させられる。最近開通した高規格道路からの眺めも良く、車の流れもスムーズ。出荷の道のりが快適でちょっと楽しくさえある。

    耶馬溪の田園風景。

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    中津市本耶馬溪町

  • 幸水出荷開始。

    幸水の出荷を開始した。酷暑のせいなのか玉が全体的に小ぶりだ。去年の開始時は少量とはいえ400gを収穫できたが、今年は350gあれば上出来。300g前後に落ち着いている。収穫した梨はまず重さで別け、同時に赤秀(高品質)を取り出していくのだが肝心の赤秀に迫力がない。フルーツキャップを被せ、袋につつんで無難な初出荷となった。

    幸水出荷開始。

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    幸水選果中

  • 産業用無人ヘリの音。

    出発の準備をしていると遠くで無人ヘリの飛行する音が聞こえる。ヘリとドローンが混成で農薬を散布しているようで、この時期、水田の多い中津市でよく見る光景だ。去年もドローンの飛行音を聞きつつ幸水の収穫を開始した気がする。何年も経過するうち、真夏のローター音が収穫の開始だと刷り込まれてしまうかもしれないなどと考えつつ山へ向かった。

    産業用無人ヘリの音。

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    中津市耶馬溪町

  • セミの抜け殻。

    久しぶりに雨が降った。雨量はまったく足りず、梨の葉を湿らせる程度。地面は乾燥して固く、掘り起こすのは苦労するだろう。そんな状態でも、土中からセミは這い出してきて梨の木に登り羽化をする。木の樹幹にはサランラップを巻き付けて虫が上がれないよう細工してあり、セミもラップに止められて羽化を開始したようだ。いったい誰が始めたのか、サランラップを巻くと袋を掛けた新高から虫が出にくくなる。ハサミムシや蜘蛛だけでなくカイガラムシまで効果があるらしいのだが、最も避けたい害虫への効果はいまひとつ疑わしい。

    セミの抜け殻。

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    山国梨棚新高園

  • 収穫準備。

    35℃超えの猛烈な陽射しのなか、収穫準備のため電動キャリーを豊水園へ移動する。豊水園は新高園の農具小屋よりずっと高い場所にあるため、長く蛇行した急な坂を徒歩で搬送することになる。キャリーは自力で動くから気分的には楽だが、やると汗が噴き出る。ハンドルのない三輪車は車体の傾きでしか曲がらず、重量は40kgを超えるのだ。汗をたっぷりかいたら苗木の灌水のためバケツを抱えて動き回り、水分の蒸発を抑えるのに茅を切って集め、午後3時にはくたくたに疲れてしまった。明日は収穫直前の草刈りをやる。電動のキャリーが雑草に足を取られて動かなくなるのだ。

    収穫準備。

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    山国梨棚豊水幸水園