• |  山国町の梨農家の日記  |

  • 花を乗せて走る。

    受粉が終わったので防除をやる。土曜日の朝のことだ。受粉が完了した花は早くも花弁を落とし、残りも花粉の受付期間終了といった感じで花を散らそうとしている。新高はほぼ散ってしまった。そんなところに農薬を強力な風圧と共に吹きかけるものだから花は舞い散る。乾いた薬液の上に花弁が張り付き、またその上に花が落ちる。新高園を回って豊水園に戻ると車体はタンクの上にたくさんの花を乗せている。この光景を見ると受粉が無事終わったせいなのかやけに安堵できるのだ。

    花を乗せて走る。

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    山国梨棚豊水幸水園

  • アネモネの花。

    ようやく受粉が終わった。花粉が尽き、隣の農夫さんから分けてもらった冷凍保存した花粉を使った。受粉率が低くなるがそうも言っていられない。それに最後の短い木の一列は、ほとんど自然受粉が完了しており、小さな子房が膨らみつつある花が多かった。気温は高く、なぜか豊水幸水園でだけ見かける熊蜂やハチアブが数多く飛び交っていた。だから多分大丈夫だろうという甘い判断からもある。とにかく長かった花摘みから受粉までの一連の作業が終わった。日はまだ高いが早々に山を下り、買い出しへ向かう途中、アネモネが咲く川岸を通過した。この花が咲くと、寒かった日々も終わったと知る。

    アネモネの花。

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    中津市本耶馬溪町

  • 甌穴。

    川底に巨大な獣が足跡を残したような穴が空いている。穴は川底の大きな岩だか石に刻まれている滑らかな窪みだ。地元の老人に訊くと「おうけつ」だと教えてもらった。どんな漢字なのかわからないと言うので調べてみると「甌穴」なのだそうだ。岩にあった小さな傷に細かな砂などが流れ込み、川の流れに押されて転がった結果、長い時間をかけて丸い穴になるらしい。珍しいことらしく老人もここにあることを最近知ったのだとか。川底が大きく厚い岩になっている川は山国と玖珠でしか見たことがない。老人と2人でスマホを持って川岸に立ち、撮影して山を上がった。

    甌穴。

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    山国町市平

  • 甘太と幸水の花粉。

    豊水幸水の受粉を開始した。昼を過ぎたあたりで地主の農婦さんがやって来て蒸した大きい甘太を2本持ってきてくれた。受粉の手を止めて甘太を1本食べ、食べながら幸水の花粉を準備して豊水の列に取り掛かる準備をする。豊水には幸水の花粉が、幸水には豊水の花粉が有効なので2種類の木を混植してあるわけだ。おそらく人工授粉をするまでもなく2種の梨は受粉を完了してしまうのだろうが、人が押さえておくことでよりしっかり実をつけると聞かされた。残り少ない花粉を気にしながら今日の予定を終わらせ、注文していた新しい眼鏡を日田市へ受け取りに行き、戻って幸水の花を摘んで開葯器に入れた。気温が上がり、日が長くなると仕事も長くなる。帰宅する頃には7時を過ぎようとしていた。

    甘太と幸水の花粉。

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    山国梨棚豊水幸水園

  • まさかの晴れ間。

    予期しない晴れ間。山を上がる途中で日が射してほっとした。明け方まで雨が残ると花が乾かないのだ。予報では気温も低く雲も昼までは退かないはずで半ば諦めていた。ところがだ、暖かい陽射しと、おまけに5mの風まで吹いている。花はきっと乾いているはずだと意気込んで棚をくぐり新高の花を触ってみると想像していたとおり花弁に水滴はない。気温も8時過ぎには15℃を超え、仕上げの受粉となった。今日を逃せば散り始めた新高の受粉率がぐっと低下していたかもしれない。日が陰る前に受粉は完了し、幸水の花を摘む時間まであった幸運な1日だった。

    まさかの晴れ間。

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    山国町市平

  • 椎茸の原木。

    山へ上がる途中、棚田の跡地を撮影している老人がいたので話しかけてみると、棚田の跡地でクヌギを伐採している本人だった。椎茸の駒打ちに使う原木は綺麗に整頓され、日光避けのために枯れ枝が載せられている。ずっと気になっていたのは、キノコの栽培ではなく、原木を集めるその手際だ。さすがプロらしい仕事で、整然と組まれた原木は美しいと言いたくなるほど棚田の背景に馴染んでいる。枯れ枝の載せ方も素人がやればこうはいかないだろうと思わせる。梨の木の剪定も素人と熟練者とでは随分違った見え方をする。ちょうどあんな感じだ。

    椎茸の原木。

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    山国町市平

  • モリアオガエル。

    雨に悩まされながら受粉をやる。予報が曇りでも山の上は小雨だったり、太陽と青空が見えていてもこの時期1時間後はどうなるか判らない。だから朝にカエルを見つけてしまうと、雨が近いのかと不安が拭えない。今朝は今年初のモリアオガエルを見た。小さな体躯だがジャンプ力はさすが、跳ねればすぐに気がつく。今日1日頑張れば、新高の受粉は終わりが見える。新高園は混植していないため、人口受粉が必須だ。その重荷をあと1日で下ろせるのだ。

    モリアオガエル。

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    山国梨棚新高園

  • 受粉初日。

    新高の人口受粉1日目。花粉樹の花粉に豊水の花粉、なんとか今日使う量を揃えて目標の数の受粉を終えた。昼の山はもう暖かく、あちこちからカエルの鳴き声が聞こえるが、午後3時を過ぎると急速に気温が下がり始めるため、受粉の終了を決めにくい。教科書によれば受粉後2時間は15度をキープとあり、終了後すぐ13度を下回るとよくないのだ。山国町の桜はもう散って裸になった枝もある。あと2日、新高の花は散らずに頑張ってほしい。

    受粉初日。

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    山国町宇曽

  • 満開の新高。

    3日の豪雨のせいで花が乾かない。ときどき雲が割れて陽光が射したりもするのだが足りない。結局雨に濡れた花を諦めて豊水の花摘みに切り替えた。たいした数は摘めずに開葯トレイ一枚ぶんの葯を開葯器に入れて今日はお終いとなった。明日は気合を入れて受粉をスタートさせないといけない。花が開いて花粉を受け付けてくれる時間はそう長くはないのだ。

    満開の新高。

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    山国梨棚新高園

  • 耶馬溪の桜。

    晴れた日は今日で終わり。午後になると雲が空を覆い、山を降る頃にはいつ降り出してもおかしくなった。タイミングの悪いことに新高は人口受粉の待機状態にあり、その初日となる明日は終日の雨で指を咥えて待つしかない。耶馬溪の桜はもう散りつつあり、風に煽られた花びらが風吹のように軽トラに降り注ぐ。そんな景色の中を走っていると、新高の花も次々散ってしまいそうで気が気でない。毎年そうだが、受粉の時期は空がグズついて焦りばかりが募る。

    耶馬溪の桜。

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    中津市耶馬溪町

  • 新高の開花はじまる。

    新高の花が咲き始めた。ところが困ったことに受粉のスタートと雨が重なりそうなのだ。ただ山の天気は予報では予測しきれないところがあって、案外降らないでくれるかもしれない。大抵は予報の通りになるのだけれど、なんとか花が乾いた状態が続いて欲しい。新高に並んで豊水もところどころまばらに花が咲きつつある。テストで少量つまんでみたところ、しっかり葯が回収できたのでそのまま開葯機に突っ込んだ。明日は豊水の花を摘もう。

    新高の開花はじまる。

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    山国梨棚新高園

  • 山国の桜。

    山国町の桜が見頃だ。花粉樹もあっと言う間に満開となり花粉を飛ばしてしまった。開花直前の蕾から僅か数日のことだった。夜間に吹き荒れた強風のせいもあっただろうが、花摘みの3日目で花粉の回収率はガタ落ちしてしまった。あとは花粉樹として利用する豊水幸水の花が開花に向かってはいるけれども、こちらは新高の受粉と時期が被る難しさがある。豊水幸水を使うならなるべく早いところで蕾を摘んでまわらなくてはいけない。

    山国の桜。

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    道の駅やまくに

  • 梨団地の皆で開葯作業。

    よく晴れた暖かい日。朝から梨棚メンバー、梨団地の農家さんらと花摘みに精を出す。とにかくひたすら花粉樹の花を摘み続け、日が尾根に隠れそうになる頃に開葯小屋へ向かって開葯機に葯を入れた。明日も天気が良さそうで、花摘みが捗りそうだ。時間的に制約の大きい作業だからほっとひと安心。ではあるのだが反面ずっと急ぎ続けるため疲労は大きい。帰宅してどっと疲れが出る。

    梨団地の皆で開葯作業。

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    山国梨団地開葯小屋

  • 開葯。

    梨の花の蕾から花粉を得る過程は長くけっこう面倒だ。まず蕾から花弁と大きなゴミを取り除く。次に大雑把に篩にかけ、更に目の細かい篩に通す。つまり蕾から徐々に不要なゴミを取り除く作業なわけだ。古く錆びついた機械と購入したばかりの機械の2台をこの工程で使うのだが、どちらも構造は至って単純。基本的にただ回転しているだけだ。しかし、回転するベルトや葯を押し出す小さな突起の形状は、たぶん何度も試行錯誤を繰り返した結果だろうと思う。機械は誤動作をせず頑丈で動作は安定している。これらの工程を経ると、最後に赤い小さな粒が残る。これが葯だ。葯が取り出せたら最後に開葯機で24時間寝かせると、ようやく粗花粉になる。

    開葯。

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    山国梨団地開葯小屋

  • 花摘み開始。

    ヤーリー(花粉樹)の花摘みを開始した。開始というにはあまりに乏しい蕾の数だが、それでも梨の世話が春のステージへと移行した日なのだ。黄色いコンテナの底に、申し訳程度に貯まった蕾。これを開葯小屋へと運んで葯を取り出し開葯機へと突っ込むのだが、驚いたことに大量の葯が採れた。もちろん受粉にはまったく足りない量ではあるものの集めた蕾の数に比べると、かなりの量の葯なのだ。今年のポイントは全体を開花させないタイミングで集めることであり、それが功を奏した結果だろうと思う。よい経験を得た。いつ蕾を摘むのかという具体的なタイミングが判った。

    花摘み開始。

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    山国梨棚新高園

  • アーモンドの開花。

    隣の梨棚の脇に植えられているアーモンドが開花している。開花と同時に強い風と雨に煽られ、雨粒に混ざって散っている。見た目も大きさも桜そっくりで、違いは濃いマゼンタ。遠くからみると名前の判らない野桜のようだ。アーモンドが終われば次は梨。白い花が梨棚一面を覆う。そうなる前に花摘みをしなければならないが、今年から輸入花粉の使用が禁止されてしまったため花粉は自前で用意することになった。自前と言っても、梨棚にあるのはさほど大きくない花粉樹ヤーリーが1本あるだけ。これでは充分な量が確保できないから、豊水幸水の花粉を当てにはしているものの、花摘みと受粉を同タイミングでやらなければならない難しさがある。今年の受粉に失敗してしまうと、次に打つ手がなくなる。今のところなんとかなるだろうと楽観的ではいるけれど、案外梨農家としての岐路に立っているのかもしれない。

    アーモンドの開花。

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    山国梨団地

  • 開花直前の花粉樹。

    早い蕾はもう摘める状態だ。しかし天気は雨。朝から止まない雨が降り続け、明日もまた雨。蕾の状況は30%ほどか。雨が上がる水曜日には摘みに取りにかかれるだろう。今日は雨の中、剪定を続け山を下りる前にもう一度、蕾の状態を確認した。雨が上がれば防除もやっておかなければならず、雨の合間の水曜日たった1日にしてはやることが多すぎる。とにかく天気予報から目が離せない週になりそうだ。

    開花直前の花粉樹。

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    山国梨団地

  • 長雨。

    昨日から降り始めた雨だが、あと2日降り続く予報だ。梨の花の状態が気になって山へ上がり、あるいは山の上は降っていないのではないかという淡い期待はすぐ消えた。排水路のあちこちに詰まった落ち葉や土が雨水の進路を塞いで農道に溢れ出ているし、とても作業ができる状態ではない。気温は昨夜ほど高くないせいか、肝心の蕾は青いまま停止状態。明日にも摘めると考えていたが、白く膨らんだ蕾になるまでまだ数日かかりそうな気配だ。まだ雨は降り続く。雨模様の合間を縫う、農薬散布のチャンスもはっきりしない。1年のうちで最も空が気になる4月になろうとしている。

    長雨。

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    山国川山国町支流

  • 野薔薇退治。

    晴れの日は今日まで。このあと雨が続く。剪定を急ぎたいところだが雨の合間にいよいよ花摘みも始まるし、どこかで防除作業もしなくてはいけない。去年もこんな感じで剪定が間に合わなかった。なのに今日は剪定を中断して、早くも伸びつつある野薔薇を切ってまわった。梨棚をぐるっと囲う鉄柵のそばに野薔薇が茂っているのだ。面倒なのはこの野薔薇を伝って葛も棚に上がろうとするため、早めに切っておかないと夏場に葛が大きな影を落とす。布製の薄い手袋では鋭いトゲを防げず、何度も痛い思いをしてなんとか野薔薇の茎を排除した。この無駄な作業がなければ剪定も少しは早くスムーズに進むのだが。

    野薔薇退治。

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    山国梨棚豊水幸水園

  • 花粉樹ヤーリーの出蕾。

    毎朝、園主さんの新高園を通過するとき、花粉樹の花芽をチェックするようにしている。農道側に大きな花粉樹があるため、車内からよく見えるのだ。開花が近づくと、いよいよ始まりという気分になる。実際は剪定からスタートなのだが、なぜか剪定では梨の1年の始まりの感じがしない。オフシーズン中の準備といった気がするのだ。剪定は梨の世話のなかでも特に大事なのだが、開花を待って花を摘み、受粉に取り掛かる気忙しい春こそ気が引き締まる。蕾が膨らむまであと1週間といったところだろうか。とにかくこれから忙しくなる。

    花粉樹ヤーリーの出蕾。

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    山国梨団地

  • 春の雪。

    ときおり青空が雲の合間に覗くものの、終日雪の舞う寒い1日だった。風速は5m。この風がきつい。3月も半ばを過ぎたが、まだまだ冬装備は手放せない。梨棚の前を通りかかった園主さんが、温かいコーヒーと貼るカイロを2枚置いていってくれた。明日も予報では風の強い1日になりそうで、山で仕事をする人たちは大変な日が続く。

    春の雪。

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    山国梨棚豊水幸水園

  • 壊れたノコ。

    太い枝にノコの歯を持っていかれた。枝の自重に挟んでしまったのだ。よくあることだが、使い込んで傷んだグリップが耐えきれずにとうとう壊れてしまった。歯を押さえていた金具がグリップから外れてしまうと、もう元に戻らない。安物のどこにでもある果樹向けではあるが、使いやすく軽いノコだから、また同じものを購入しようと思う。ノコを壊してしまったタイミングで、地主の農婦さんがやって来て、色違いのノコを貸してくれた。これには助かった。わざわざ日田市まで買いに行く面倒が先延ばしにでき、今日の作業を無事に終えることができた。

    壊れたノコ。

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    山国梨棚豊水幸水園

  • オオオナモミ。

    梨の木を見上げながら煙草を喫っていると、パーカーの背にべったりとオオオナモミの種がくっついているのに気づいた。棚の下にこんな雑草は生えてない筈だと辺りを見渡すと、しっかりとあった。それも去年の秋頃立ち枯れたらしき待機中の種だ。抜き去って焼いてしまわないと面倒になりそうだなと思いつつも、剪定を中断しなかった。そういえば、ときどき訪れてマッサージをせがむ黒猫が腹にくっつけていたのを思い出す。これから開花と同時に草刈りのシーズンに突入する。隣の梨棚はもう乗用草刈機を動かして今年最初の草刈りをやっていた。豊水の剪定が終わったら草刈りをやろうか思案しつつ、背に付いたオオオナモミの種をひとつづつ取って焚き火用コンテナに投げ捨てた。

    オオオナモミ。

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    山国梨棚豊水幸水園

  • 花粉樹の開花直前。

    終日雨。午前中は降りが弱く、断続的な霧雨のおけげで剪定を進められた。明日で雨は上がる。そうなると気になるのが花芽の状態だ。豊水のぷっくりと膨らんだ花芽はもう割れ始めていて、中から蕾が飛び出しそうになっているものもある。開花の早い花粉樹となると顕著で、蕾のセットがしっかり飛び出している。画像は日田市に住む師匠から分けてもらった3年の苗木だ。今年から花を摘むつもりだが、この花粉樹は品種が判らない。ヤーリーだろうと思っていたけれど、師匠に尋ねると違うと言う。確かに枝振りや花の色がヤーリーではないから、では何かと訊くと、判らないと言う。よく判らない苗木をどこから持ってきたのか。とにかく苗木は順調に発育中であり、足りない花粉の足しにしたい。

    花粉樹の開花直前。

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    山国梨棚新高園

  • 薪。

    排水路の工事で切り倒した防風木と梨の枝から、手頃な太さの枝を残して薪にするつもりだった。1年ほど乾燥させれば焚き火の囲いとして使えるだろう。面倒なのは雨水に晒せないことだ。ブルーシートで覆うか、トタン板を被せておくかないといけない。どうするか思案していると、農機小屋の修理に来てくれた整備士が薪ストーブの薪にするから欲しいと言う。断る理由もなく、持ち帰ってくれるなら片付く。というわけで来週にも回収に来てくれるらしい。台風で潰れたままだった小屋がまた使えるようになり、そして廃材も持ち去ってもらえる。雑然とした梨棚の入り口がこれで少しはマシになりそうだ。

    薪。

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    山国梨棚豊水幸水園

  • 防除の花。

    今年初の防除を明日か明後日に予定している。農薬の散布車両のエンジンをかけ、ブレーキの具合も確認済み。気になっているのは地面の具合で、よく降る雨のせいで若干緩いこと、そして日曜日が終日雨の予報となっていることだ。雨が降るならその前日まで待ちたく、地面も明日1日太陽に晒せばもっと硬くなってくれるだろう。ということで16日の土曜日を初防除としたい。ちょうど今朝、梨棚の入り口にタンポポの花を見つけた。去年もその前も、防除の直前に花開くタンポポの花。今年もこの花を見て防除開始だ。

    防除の花。

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    山国梨棚豊水幸水園

  • キノコの生えた枝。

    去年まで大きな梨を実らせていた木が唐突に枯れた。ゆっくり衰弱へ向かってはいたが、それでも新しい亜主枝を短いながらも伸ばし、まだまだ現役の3本主枝だった。今年はもうひとつの弱った亜主枝を切り落として再び2本主枝に戻すつもりでいたが、予期せず3本とも駄目になった。切り落とす予定だった亜主枝にはキノコが生えている。健康な樹皮であれば菌類の侵入を許さない。キノコの生えた樹皮は柔らかく、指で押せば崩れそうだ。これから先、こんな枝が増えていくだろうと予想される。梨の木1本だけの話ではなく園の寿命なのだ。

    キノコの生えた枝。

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    山国梨棚豊水幸水園

  • アーモンドの花。

    隣の梨棚の農婦さんに朝の挨拶をしたとき、アーモンドの花が咲きそうだとおしえてもらった。まだ蕾だが濃いマゼンタが枝にたくさん並んでいる。花になると色が薄くなり、形は桜に似ているらしい。この園には早咲きの桜や林檎、杏まで植えられていて、春先から夏までいろんな花が咲く。もちろん梨が主で豊水、幸水そして少数の新高が間違って植えられているのだとか。園はこちらと同じく古い。梨の木はそろそろ寿命を迎え、ゆっくりとでも改植が必要だなのだが、たった1人で管理しているため、なかなかそんな時間は取れないのだろう。それはこちらも同じであり頭の痛いところだが、いましばらく現状維持の状態だ。

    アーモンドの花。

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    山国町梨団地

  • 山国東部多目的集会所。

    午後は梨部会で公民館に集まった。3月の部会はいつも今年最初の防除の直前だ。開花予想とカメムシの発生予想、それから気温予想の報告がされたあと、皆で集会所の掃除をした。今年は水道の不調を抱えたまま水を大量に使用する防除に突入する。開花も早そうで、そうなると花摘みのタイミングも早くなる。毎年同じ仕事をしながら、毎年初めての経験をしている気がする。2年前は摘果の最中に雹が降って慌てた。もしかすると今年はカメムシが異常発生したりするのかもしれない。同じようでも同じでない気候と自然を相手に仕事をするというのはなかなか大変だ。

    山国東部多目的集会所。

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    山国町東部多目的集会所

  • 梨棚の終焉。

    棚の解体が進んでいる。古木の並んだ園だったけれど、まだまだ使えるしっかり管理された園だった。管理者は山国梨団地の中心的存在で、梨栽培の知識豊富な農夫さんだった。いま園の梨の木は枝を全て落とされ樹幹を残してチェンソウで解体されている。木が終われば棚が壊され、最後は更地になる。跡は息子さんが継いで、牛舎ができるのだそうだ。毎日様子を見ながら山を上がる途中の園だったから寂しい限りだ。梨の木は、管理者の引退や何らかの原因で継続が難しい場合は。伐採する決まりになっている。放置すれば病床と化すからだ。山国梨団地の最後を見ているような気分になる午後だった。

    梨棚の終焉。

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    山国町梨団地