• |  山国町の梨農家の日記  |

  • 梨農家の1年の終わり。

    新高園の掃除に終わりが見えてきた。ようやく今年の収穫が終了する。掃除しつつ、まだ摘める梨も選果してみると売り物にならないものが多く、だから逆に神経を使わず気分的にも楽になってきた。毎年そうだが梨農家の1年の終わりは心底ほっとする。このあとすぐ礼肥をやり、梨棚全体の消毒をやり、伸びた雑草を刈り取る作業が待っているけれど気は楽だ。12月から始める剪定まで、緊張が解ける11月は貴重な月なのだ。

    梨農家の1年の終わり。

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    玖珠町古後

  • 鶴ヶ原の景。

    玖珠山国線の途中に鶴ヶ原の小さな湖がある。鶴ヶ原の景といって紅葉が楽しめる場所のようだが、山道を歩くためこれまで訪れたことはない。今日、帰路の途中でほんの気紛れから寄ってみたが、車道はすぐに徒歩の山道となって諦めてしまった。看板には徒歩10分と書かれている。おそらくそれ以上歩くことになるだろう。湖というより溜池といった景観は、秋より雪景色が良いと聞いた。ますます訪れる機会はなさそうだ。

    鶴ヶ原の景。

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    玖珠町鶴ヶ原の景

  • 枯れるモミジの葉。

    庭のモミジの葉が紅葉しないまま縮れている。緑から茶になって枯れて落ちる。あるいは紅葉しにくい種類があるのか、そもそもモミジではないのかよく判らないが、種子はモミジのプロペラ型のそれだ。庭に大きな木があるのは邪魔だなあと感じていたが、夏は軽トラの荷台に影を落としてくれ、寒くなってきた最近では、明け方の車窓の曇りを防いでくれる。おそらく冬の凍結からも保護してくれるだろう。何より家の窓から緑が見えるのが良く、陽射しの強い日は反射で部屋を淡い緑にしてくれる。どうせならもう1本植えてみようかとも考えている。

    枯れるモミジの葉。

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    日田市天ヶ瀬町

  • 梨棚の掃除開始。

    新高園の掃除を始めた。掃除といってもまだ収穫も残っていて、売り物にならない梨を落としつつ指先の感触だけで梨を選り分ける。いちいち袋を破っていては時間がかかるばかりだし、触感はなかなか捨てたものではない。そうしていつもの倍近い時間をかけてコンテナ8つ、新高を収穫した。排出した袋はかなりの数で、コンテナに貯めては焚き火へ運んで焼くのだが、これにも時間を食う。帰宅は午後となった。

    梨棚の掃除開始。

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    山国梨棚新高園

  • 早朝、のどかな道。

    月が変わって最初の週末。しかも三連休。おそらく出荷らしい出荷となるのはこれが最後だ。朝、まだ暗いうちに梨を軽カーゴに積み込んで、薄ら明るくなった道を山国町目指して走る。交通量は少なく、幹線道路を外れて県道に入ると静かな風景が広がっている。引っ越しをしてから山国町が遠くなってしまったけれど、道のりは苦痛ではない。のんびり走るのだ。

    早朝、のどかな道。

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    玖珠町山下

  • 新高の収穫ほぼ終了。

    10月最後の日は終日雨。午前中に私用を終わらせ、午後から選果場となっている自宅に篭って週末の出荷に集中する。選果場のストックは大雑把に3日ぶんほど。このコンテナを崩せばフルーツキャップで保護する梨は尽きる。残るのは防曇袋に包むだけの梨となる。明日からは収穫というより梨棚の掃除だ。運がよければまだ出荷できる新高を摘めるかもしれない。

    新高の収穫ほぼ終了。

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    山国梨棚豊水幸水園

  • 10月終わりの日の出。

    足元が明るくなるのが午前6時、太陽が稜線の上に出るのが7時くらいか。今朝も暗いうちから出荷の準備をして道の駅まで走った。スタッフのほぼ全員が顔を覚えてくれているから、搬入のため早めに入り口を開けてくれる。山へ上がるのは8時30分くらいか。8月からずっとこのルーチンでいい加減うんざりしていたところだが、それももう終わりを迎えつつある。新高園にはもう小玉しか残っておらず、気分はもう終わり。今年最後の農薬散布と礼肥のタイミングを考えている。

    10月終わりの日の出。

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    玖珠町古後

  • 山国川。

    初めて山国町を訪れた日、バスの到着時間を待って山国川の河岸にある階段で時間を潰していた。今日、JAバンクのATMが動く時間を待って山国川の河岸を眺めていると、当時腰掛けた階段は無く、パッチを当てたような工事で新しい階段に変わっていた。夏が来るたび暴れる山国川だから、おそらく古い階段を削り取ってしまったのだろう。中山間に住み、山で働いていると頭の隅から自然災害が離れない。今年は大雪で梨棚が潰され、梨は凍害で散々だった。来年も似たような災害が収穫に影響を与えるのだろう。今思うと、初年度の豊作は幸運だったのかもしれない。

    山国川。

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    山国町山国川

  • 水田の白いロール。

    水田のそこかしこに置かれている白い巨大なロール。梨棚の収穫が終わりを迎える頃の田園風景が今年も玖珠町に広がっている。このロールは稲を丸めた稲発酵粗飼料で、牛の飼料になるらしい。白いナイロンは太陽光を反射して、水田の中やけに清潔に見える。11月半ばあたりで搬出されて風景から姿を消すと、いよいよ冬の寒さがやってくる。

    水田の白いロール。

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    玖珠町戸畑

  • 落果した新高と蝶。

    落果した新高に蝶がたくさん集まっている。羽がぼろぼろで名が判らない。キタテハのようでもあるしヒョウモンのようでもある。よく見ると蝶のまわりにはオオクロアリやらコオロギがうろついている。梨に集まる生物はかなりの種になり、そのなかにヒトもいる。来年もたくさんの梨をヒトに独占させて欲しい。

    落果した新高と蝶。

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    山国梨棚新高園

  • 広がる青空。

    朝、小雨で始まった1日。時間の経過とともに雨雲は去って青空が広がる。故障していた足を再び手に入れたのもあって収穫が捗り、新高の収穫の終わりが近づく。枝に袋はまだ下がっているが、出荷できる品質の新高は数少ない。収穫のあとは草刈りとともに袋を下ろす掃除作業が今年は大変になりそうだ。8月から振り返ると、例年と同じく大変な収穫ではあったけれど、過ぎ去ればあっけなく終わった気もする。

    広がる青空。

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    山国町市平

  • 軽トラ故障。

    軽トラが故障してしまった。修理の見積もりは、なかなかの額。走行距離を考えると新車購入を検討すべきか悩んだ結果、修理もせず、もう一度中古を購入することにした。車体はたまたま修理工場にあったスバルのサンバーだ。カーゴは使いにくい反面、荷を雨に濡らさないというメリットもある。そして収穫はまだ終わっておらず、次の車体を急ぐ事情もあり、これでいいや試しに乗ってみようとなった。さてどうなるか。

    軽トラ故障。

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    玖珠町古後

  • 荻尾公園。

    収穫を終えたあと日田市街地で冬の作業着を買う。明け方は寒くて車の窓を開けて走れない。作業着といっても厚手のパーカーとフリースなのだが、一枚あるだけでこの時期は随分違う。久しぶりの市街地だし、店を出たあとで荻尾公園にも寄ってみた。缶コーヒー1本と煙草1本で随分リラックスできる。新高の収穫も後半に向かって少しだけ気持ちに余裕が出てきたのだ。

    荻尾公園。

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    日田市荻尾公園

  • 冷え込む朝。

    小雨混じりの冷え込んだ朝。厚手のパーカーが要るほどだ。秋を飛ばしていきなり冬直前といった感じで、新高へのダメージが気になる。冷えたあとに気温が高くなると果実の緩みが早まる気がするのだ。新高を包んだ紙袋は雨に濡れて、収穫が鬱陶しい。せめてなんとか10月いっぱいは収穫を続けたい。

    冷え込む朝。

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    玖珠町古後

  • 新高の終わり。

    早くも新高の終わりが見えてきた。大玉は10月の最後を待たずに摘み終わりそうだし、果実の緩みもちらほら出てきた。11月の収穫は、収穫というより枝に残った袋の掃除作業となりそうだ。これは春先の凍害のせいなのか、その後の天候のせいなのか判然としないが、フルーツキャップで保護する良品新高の収穫は10月いっぱい。過去一早い終わりとなる。

    新高の終わり。

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    日田市天ヶ瀬町

  • 選果と鬱。

    重い空。雨も降っているなか出荷のため車を走らせる。山国町へ到着すると雲の合間に青空が見え、その後ゆっくり晴れ間が広がった。10月も後半へ向かういま、まったく気分が優れない。8月から始まった収穫と出荷がもう3ヶ月続き、終わりは11月になる。早朝に出荷、その後収穫、自宅へ戻って選果。この繰り返しが耐え難くなるのだ。気分は上がったり下がったりを繰り返しつつゆっくり下降、底へ到達する頃ようやく終わりを迎える。1年通して休みがとれないのだが、収穫期は特に休めない。11月のごく短い休息だけを夢見て今夜も選果作業は続く。

    選果と鬱。

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    山国町東部梨団地

  • セイタカアワダチソウ。

    少量とはいえ雨がよく降る今年の10月。そのせいなのか、雑草が生い茂っている。最後に自宅の草刈りをやったのは収穫が始まる直前だから、あれから2ヶ月以上が経過してしまった。肌寒くなって成長が鈍ったとはいえ、暑い頃に伸びた雑草が生活道路へと伸びて車体に当たる。今年の収穫は早めに終わりそうだから、その後は草刈りに追われる日々になりそうだ。草刈りが終われば梨棚の落葉処理。梨農家の1年がもうじき終わる。

    セイタカアワダチソウ。

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    日田市天ヶ瀬町

  • 眠い朝。

    寒く感じる朝。霧が降り、路面は濡れている。荷を車に積み込んで自宅を出発するのは、平日なら朝7時。週末は遠くまで走るから6時だ。荷造りと荷を積見込む時間はその1時間から2時間前だから、出荷時期は朝4時起きになる。こんな毎日を送っていると、どうしようもなく眠い日があって今日もそんな日だった。梨団地へ上がって30分ほど仮眠、これがとても効く。頭がすっきりして、よしやるかと収穫に取り掛かれる。選果を始める時間も下がってしまうが、まあ仕方ない。

    眠い朝。

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    日田市天ヶ瀬町

  • 新高の紙袋。

    新高を包んでいる紙の袋。梨を収穫してコンテナに詰めるタイミングで剥がさないのは、選果までの緩衝材になるからだ。だから自宅に紙袋がゴミとして大量に自宅に貯まる。この燃えるゴミは冬の剪定で枝を焼く焚き付けに使え、ゴミ回収には出さない。耐水加工された紙は1枚が実は高価だし最後まで使える紙として重宝するのだ。ただ、ストックするにあたって広い部屋か倉庫が要る。冬まで部屋が狭くなるのは仕方がない。

    新高の紙袋。

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    JA製トリカ袋

  • 短果枝で折れた梨。

    落果した梨を見ると短果枝で折れている梨が少なくない。新高のような大きな梨は、短果枝が暴風で支えきれずに落果するというのは珍しくないのだが、それは重い梨の場合だ。小ぶりな梨が短果枝で折れる理由がわからない。深夜に強い風が吹いたのか、捕獲しきれていない穴熊が乗ったのか、どれもしっくりこないのだ。今年は凍害のせいなのか、全体の実りはよくない。凍害の年は短果枝が折れやすいのか、これも解らない。まだまだ経験が足りないのだ。

    短果枝で折れた梨。

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    山国梨棚新高園

  • 豊月の食害。

    今日の収穫エリアは豊月の枝を含んでいた。枝、というのは新高に接木した豊月のこと。2本の亜主枝と言ってよいほど立派に成長して、収穫量も成木もそれだ。去年は新高を採りつつ豊月も同時に摘んでいたのだが、今年は穴熊にやられて散々な状態だ。ほぼ全ての梨袋は裂かれるか穴を開けられていて、残ったのは風に吹かれて揺れる袋だけ。豊月は香りを放つのか、ピンポイントで食害されてしまった。今年は冬から穴熊対策をしっかりやるつもりだ。

    豊月の食害。

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    山国梨棚新高園

  • 大きな新高梨。

    山国梨棚の新高園では大玉となる1.3kgの新高。他の園では2kg超えも珍しくない。新高だから大玉は嬉しいことでもあるのだが、売りに困るという側面もある。売りやすいのはひとつ1kgまでで、それを超えるとラッピング困難なのだ。防曇袋にひとつしか入らない。大玉は客に喜ばれはするけれど複数個が条件。結局どうしようもなくもてあまして、ひとつ包んで店に並べるしかない。売れるかどうかはほぼ運だ。

    大きな新高梨。

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    新高梨1.5kg

  • 収穫日和。

    収穫日和な1日。朝早くに玖珠山国線を走っているところで朝日が靄を払い、そこからずっと過ごしやすく気持ちの良い日が始まった。正午あたりで収穫を終えて山を下り、自宅へ戻ってすぐ選果に取り掛かった。晴れた日の選果はやり易くて助かる。梨のテクスチャがはっきり見え、果実の異常や収穫後に付いた傷などもくっきり見える。これで高性能な非破壊検査機でもあれば申し分ないけれど、安価ではない。頼れるのは己の目ひとつ、クレームに怯えながら太陽が出ているうち急いで選果を続ける。

    収穫日和。

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    山国梨棚新高園

  • 箱罠。

    幸水の収穫を開始する直線、新高園の入り口に獣罠を2つ仕掛けておいた。新高園に獣害が発生していたからだ。豊月はすべて食害され周辺の新高もやられた。罠のひとつは店で購入した安物、もうひとつは猟師さんに設置してもらった頑丈な金属製の箱罠だ。仕掛けてすぐ成果があり、それ以後獣害は止まった。新高の終わりが見えるまであとひと月。このまま被害が出ないことを願っている。

    箱罠。

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    山国梨棚新高園

  • 未収穫の稲穂。

    未収穫の水田がちらほら残っている。稲穂は頭を下げ、すぐにでも刈り取れそうではある。米の収穫は8月から10月にかけてだから、それは品種の違いからなのか、ただ作業が遅れているだけなのか判然としないが、黄色の四角い絨毯が刈り取られずにまだ残っている。ただ、それも紅葉が始まるまで。山が黄色く色付く頃には、このあたりの水田は収穫を全て終えているはずだ。新高の収穫も半分を過ぎ、梨園の1年の終わりが見えてもいるだろう。

    未収穫の稲穂。

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    玖珠町古後

  • 新高収穫開始。

    久しぶりの青空。新高の収穫を開始した。大急ぎで草刈りをやり、乗用草刈機を新高園の半分だけ走らせてからの収穫だから山を下りたのは午後になってからだった。帰宅が遅くなれば、それだけ選果に費やす時間が逼迫する。毎晩、睡眠だけはしっかりとっておかないと翌日の作業に響くのだ。というわけで帰宅早々選果を開始した。出荷は明日火曜日だ。

    新高収穫開始。

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    山国梨棚新高園

  • 豊水出荷終了。

    豊水の出荷最終日。出荷を終えて山へ上がり、農道の草刈りをやろうと準備していると、直売所から連絡が入った。中津市街地の道の駅へ配送予定のぶんまで売れてしまったらしい。週末はいつも直接中津市街地まで走っていたが、今日はわざわざ長距離を走るほどの出荷量ではなかったから配送を選んだのだ。売り切れたのであれば問題なし。豊水は無事終了。午後になって日田市は雨がぱらついた。もう気にしなくてよい雨だ。

    豊水出荷終了。

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    日田市天ヶ瀬町

  • 雨の週末。

    豊水最後の選果。選果する数は多くない。土曜日の今日、なんとか日中は天気が崩れないでいてくれた。午後遅くになって雷雲が広がり雨となったものの今日の出荷分は残らず売れたようだ。天気予報があてにならないこの時期、明日はひょっとすると雨なのかもしれない。明日、豊水最後の出荷も問題なく終わらせたい。

    雨の週末。

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    日田市天ヶ瀬町

  • 紅葉。

    唐突に寒くなった。最後に汗をかいたのは何日前だったか。早朝は軽トラの窓を閉じて走り、夜間はもうコタツがあってよいほどの涼しさだ。標高の高い中山間住みだからというのもあるのだろう。葉を黄色く染めた広葉樹もちらほらみかける。来週からいよいよ新高の収穫を開始する。今年最後の収穫の始まりだ。

    紅葉。

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    日田市天ヶ瀬町

  • 豊水の収穫終了。

    豊水の収穫が終わった。緩み始めた果実をひとつひとつ確認しながら、けっこうな数を落としつつの作業だった。今年の豊水は豊作だったと言ってよい。摘んでも摘んでも終わりが見えない収穫だった。嬉しいことだが、故に最後まで綺麗に摘み取れなかった。来年も同じように豊作になってほしいと願いつつ、伸び切った雑草の刈り取りをどこでやるか悩みつつ防風ネットを巻き上げた。明日からは下さなくてよいのだ。

    豊水の収穫終了。

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    日田市天ヶ瀬町