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摘み残したカボス。
摘んでおいたカボスが底をついた。手が届かず放置しておいたカボスは収穫期を過ぎて実が萎縮している。梨も林檎も収穫期を過ぎると食べられなくなるが、外皮の厚いカボスは水分を失ったぶん縮むだけのようで、売り物にはならなくても味にそれほどの変化はなく感じる。つまり1個あたりから絞れる果汁がぐっと減っていくようなのだ。毎晩味噌汁に絞っていたカボスが突然なくなるのは寂しい。なるべく大きな実を摘んでみたがどれもスカスカだ。梨棚から脚立を運んで残りを落としてあげよう。
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庭のカボス
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大寒波来襲。
山間地住みの弱点のひとつに急坂がある。午前中の降雪は大したことがなく、路面の凍結も所々。しかし急坂を走るとなると話は違ってくる。山間地の農家は坂の先にあることが多く、車の出入りは不安が付き纏う。今朝は暗いうちから梨棚へ向かうのを諦めた。家の敷地にある急坂で早速スリップしたからだ。タイヤの空転はほんの一瞬だとしても、坂を抜けたその先にはもっと長い坂があり、山国の山は坂道しかない。今日と明日は動けそうにない。
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新高の剪定完了。
新高の剪定がようやく終わった。明日から豊水に取り掛かるけれども、天気が荒れそうだ。寒波の南下と共に降雪。明け方から降り始め、週半ばまで雪のマークが並んでいる。しっかりと降り続けるのか、それとも案外日中には溶けてしまう程度なのか、山の上は予報が確実ではない。どのみち寒いなか焚き火に齧り付いて動けないことに変わりはないが、山へ上がれないほどの雪は本当に勘弁だ。
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山国梨棚新高園
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小雨の暖かい日。
小雨のスタート。雨はすぐに上がって何故か暖かい1日だった。新高の剪定は明日で終わる。明日までは空が持ってくれそうなのでギリギリの終了だ。その後大寒波がやってきて梨棚はおそらく雪を冠る。豊水の剪定開始は降雪のあとになりそうだ。とにかく終わりが見えてほっとしている。明日は雨にならないよう祈るばかり。
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山国梨棚新高園
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1月が終わる。
1月がとうとう終わった。予定では新高の剪定が終了しているはずだが、3本ほど残してしまった。週末は雨。雨が止むと寒波が南下し、雪の日が続く。そうなると新高の剪定終了は、最悪の場合雪が止む2月の5日を過ぎてしまう。3月には花摘みが控えている。毎年そうだが、焦りばかりが募る。
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山国梨棚新高園
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滑る軽トラ。
軽トラを停め、エンジンを切ってサイドブレーキを引きドアを開けて降りると軽トラが滑った。今朝のスリップは30cmほど。ひどい時は1mほど滑落してびっくりする。乗車中ならよいのだが、体重ぶんの重量の移動がトリガーして滑るから厄介だ。地面を歩くとあちこち凍りついて転びそうになる。山で大きめの石を拾って車輪止めを置いておこうといつも考えるのだが、山を下りる時間になるとすっかり忘れている。
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山国梨棚新高園
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まずは焚き火から。
梨棚に到着するなり焚き火を始めた。この日のために落とした枝を貯めていたのだ。降雪量は少ない。太陽が覗けば雪は1時間ほどで枝から消えてくれるだろう。その間に焚き火で暖をとり、指先を温めてから作業に取り掛かる予定。種火をつくるための紙袋を盛大に投入し、前回の燃え残りの枝に火を移してから枝焼きに掛かった。焚き火の熱がなければ、雪が降る日の剪定はやる気を大きく削がれるだろう。午後を待たずに梨棚上空は青空が広がった。
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山国梨棚新高園
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小雪。
午前中、梨棚メンバーと日田市の天ヶ瀬へ。降雪を気にしつつの出発だったが、天気予報に反して青空が覗き、日田市から山国町へ戻る頃には陽射しがあった。そのまま山へ上がり、仕事を開始。天気は崩れる予定で仕事を急いでいたものの、そうはならず時々ちらつく雪に震えながら剪定を進めた。残った木の数は1桁。1月中に終わらないとはいえ、降雪の多かった去年に比べると早い進行だし、積雪もなさそうでほっとしている。
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山国町東部梨団地
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主枝を切る。
今日は雨の予報だ。早朝に軽くぱらつき、その後は小康状態が続いている。その隙間に剪定を少しでも進めようと梨棚に入り、いきなり主枝の切断から始めた。ようやく主枝として安定しつつあった新しい大枝なのだが、梨を実らせる側枝がすべて枯れてしまったのだ。主枝をよく見ると虫が入っているようで、ノコを入れると空洞があり、下半分が枯れてしまっている。残念でならない。
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山国梨棚新高園
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伸びる山影。
風の強い日だった。山から下る風の通り道だからか、保護剤のプラ容器や誘引紐が飛ばされるほどで、落葉処理して砕いた落ち葉が同時にあっちへこっちへと吹き飛ばされる。こんな日に太陽が出ているのは救いだった。陽射しがあるだけで暖かく過ごしやすい。午後になって太陽が山に隠れるまでは剪定に集中できるはずだ。というわけで午前中は喫煙の時間も惜しんで枝を触り続け、山の影が忍び寄ってくるまで頑張った。足が影を踏むのは午後3時くらい。3時半になると寒さが戻って耐え難くなる。影の伸びは早く、山を下る時間が近づいてくる。
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山国梨棚新高園
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快晴。
快晴の朝。雲ひとつない。これからまた寒波が南下し、週明けは雨の予報だ。山の天気を見ていると、これから崩れる直前は快晴のカードが配られている気がする。夏場の唐突な変化ではないぶん身構えられるが、身構えた先に冷たい雨や雪が待っている冬は、最悪の場合仕事が止まる。週明けは終日雨の予報だ。だから今日は少しでも進めるため集中して剪定をやった。1月もあと少し。なかなか厳しくなってきた。
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山国梨棚新高園
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空と枝を見上げる。
暖かい日々。主枝先端まで枝を整理したら足場に腰を下ろして煙草に火をつける。こんなふうにじっと座っていられるのも15℃あたりの気温のおかげだ。煙草を喫いながら空を見上げると、これから手を加える枝が見える。あの枝を落として、あの枝を誘引してと枝のパズルを頭の中で組み上げていく。この方法は日田市の師匠から教わった。特に選定が終わったあとで見上げてみるとよい、と。どの枝が寄っているか、多く下ろし過ぎていないか、誘引を忘れた枝はないか。問題がなければ、次の木へ脚立を運ぶ。
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山国梨棚新高園
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鋭利な花芽。
豊月の短果枝についた花芽は細く、先端が針のように尖っている。新高のそれとはまったく違って、ぼんやり不注意でなければ豊月だとわかる。助かるのは、この時期の剪定で接木した豊月の判別がすぐにつくのだ。こんなところにも豊月があったと今になって気がついたりする。新高を成木まで育てたのは地主の農婦さんだ。新高のどこに豊月の枝を接木したのか、今となっては本人も記憶していないだろう。せっかくだからそのまま枝を下ろし、マーキングせずに誘引を終わらせた。秋になり、袋を破ってようやく豊月梨に気がつき、数個だけ売るわけにもいかずに自分で食べることになるだろう。
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山国梨棚新高園
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急ぎの用事。
ここしばらく暖かい日が続いている。ペースを上げて剪定に集中したいところだが、急用で梨棚にいたのは僅か1時間。不要な枝を落として終了となった。軽トラを飛ばして用事の先に向かう間、暖房を切っているのに車内が暑くなる。この剪定日和に梨棚にいないと不安が募る。予定ではきっちり1月中に新高の剪定は終えるはずだった。このあと寒波が南下してくるのではないかと気が気でない。
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耶馬溪町柿坂
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キノコが生えた新高。
キノコが生えた新高。就農した初年度から様子が変だったが、ここにきて一気に衰弱した。成長する前に枯れてしまうだろう。キノコが生えたから枯死するのではなく、衰弱して抵抗力が落ちたからキノコが生えたのだ。長く伸びた2本の主枝から徒長する枝はなく、側枝は白い。とりあえず、まだ使えそうな枝を残して他を落とし、今年まで置いておくことにした。来年の剪定で、ここは空白になる。
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山国梨棚新高園
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気温15度。
暖かい冬の日があり、次に寒波が南下してくる。1月はずっとこの繰り返しだ。今日はとても暖かく、羽虫が飛び交い、足場に座り込んで枝を見上げゆっくり喫煙もできた。寒波が居座っていたらじっとしていられない。絶えず動き、手を擦り合わせながら焚き火と梨棚を往復する。しかし、今日のような日は、焚き火が効率よく燃えなくても気にならない。寒い日の燃料として燃やさず残しておけばよいとすら思う。剪定で落とす枝は毎日けっこうな量だ。放置しすぎると置き場がなくなるほど溜まったりもするのだが。
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山国梨棚新高園
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暴れる枝。
樹勢に関わらず、今年使うつもりで待機させていた待ち枝に暴れるものがある。原因はよく判らない。樹幹に近い位置にあろうが主枝先端に近かろうが暴れる枝はそうなる。短果枝としてまとまらず側枝から側枝になる。こうなってしまうと実を着けるどころではなく、諦めて枝ごと落としてしまう。今日は新高園でもとりわけ大きい古木を剪定したが、所々の待ち枝が暴れていた。ここぞという枝に限って落とさねばならず、がっかりする。この穴を埋めるために、反対側から今年の待ち枝を誘引しなければならず、こうして樹形が乱れるのだ。
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山国梨棚新高園
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電柱撤去工事。
焚き火を起こしていると電線の工事が始まった。電線に掛かった雑木林の枝葉を払う作業ならよく見かけるが、それは台風シーズンの夏から秋だ。冷え込むこの時期に何の工事だろうと、工事開始を告に来てくれた技師に話を聞くと、電線を外すと言う。そればかりか電柱本体を撤去するのだそうだ。住人が減り続ける市平の集落へ、電線は続いてる。この先、利用の見込めない電柱は無くしてしまうということだろう。今のところ新高園で電気を利用する予定はない。とはいえ農業に進出しつつあるIT製品を利用するかもしれないと考えると、少し不安が過ぎる。
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山国梨棚新高園
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雪と風に泣く。
寒い1日だった。朝には止む予報だった雨が降り続け雪になった。雪は雨よりマシだが、それは風がなければの話。雨混じりの雪が風に煽られて舞い、濡れた指先から熱が奪われる。最悪なのは仕事が捗らなかったことだ。枝の保護剤も雨で流れるし、誘引紐が泥で汚れ、指に付着して手袋を余計に濡らす。こんな日だからこそ1本でも多く切っておきたいと梨棚に踏みとどまるも、疲労だけが増す結果になった。
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山国梨棚新高園
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枝に残った袋。
秋の落葉が終わると、取り損ねたトリカ袋があちこちの枝に残っている。秋にすべて取り除いたつもりでも、生い茂った葉に隠れて見えなかった袋が剪定の時期まで残るのだ。針金入りの紐を解き、短果枝を傷付けないよう袋を外す。外された袋はコンテナに放り込んで、焚き火の燃料にする。カラカラに乾いてよく燃える袋はこの時期に必須のゴミだ。去年までは杉の枯葉を主に使ったが、今年は去年から大量に残っている袋を処分したくて袋だけで火を起こしている。明日からの寒波に備えて備蓄は農具小屋にたっぷり用意している。
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山国梨棚新高園
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剪定日和。
寒波と寒波の隙間。しっかり晴れて陽射しが届き剪定が捗った。1月もそろそろ半ば。剪定待ちで残された新高は1月中に終わるかどうかぎりぎりの数だ。木の残数と残された日を毎日照らし合わせて最低ノルマを確認し、翌日はその数を少しでも上回るよう剪定してはいる。それでもこの先、雪が積もり、寒波が居座るとどうなるか判らない。剪定は僅か数年の経験とはいえ慣れて速くはなってきた。あと1週間ほど作業を圧縮して早く終えられたら随分楽になる。仕事を終え、ゆったりとした気分で耶馬溪の景色を眺めながら帰宅できると思うのだが。
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耶馬溪町山移
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動かない脚立。
梨棚に立てたままの脚立が凍りついて動かない。足の裏が凍ったまま雪の上に立てるから、いつの間にか張り付いた氷が増し、凍った地面に張り付いてしまった。日陰の農道も雪が溶けないまま凍りついて軽トラを梨棚に寄せられない。公民館の駐車場に軽トラを停め、歩いて梨棚に向かうと道も土もカチカチに凍って入り口の鉄柵も開閉に難儀した。こんな日は仕事の効率がぐっと落ちる。陽射しがあればいいのだが、朝からまた雪が降り出した。風が出たら厳しい1日になるだろう。
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山国梨棚新高園
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積雪で動けず。
昨夜から雪がたくさん降り積もった。明け方は真っ白の世界。日の出と共に雪は溶け始めたけれども、山の上はそうはいかないだろう。これまでは無理を押して山へ上がっていたが、さすがにもう無しだ。軽トラをスリップさせて路肩に乗り上げてみたり、梨棚に到着したところで枝に乗った雪に難儀するのはもういい。しかも正午をまわった梨棚は山の尾根の影に入って雪が残る。毎年雪で動けない日を想定してはいる。それにしても貴重な1日を捨ててしまうのは残念だ。
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中津市耶馬溪町
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焚き火の一日。
氷点下のスタート。ときどき陽射しがあり、すぐ曇って激しく雪が降る。合間に小さな雹が落下し強風が吹き付けて陽射しが戻る。おかしな天気だ。今日はいつもの剪定を止め、不要な枝を落として薪にして回った。とにかく寒いのだ。焚き付けの紙をじゃんじゃん燃やして小枝から焚き火に投げ込み種火をつくって暖をとる。剪定はそれほど進まなかったが、不要な枝を落としておけば剪定は格段にやり易くなる。普段これをやらないのは腕が疲れると理由から。しかしこれほど寒いとそうも言ってられず、むしろ体が温まって良いとすら感じた。
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山国梨棚新高園
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凍結する道。
凍結した道路で2台のハイゼットが事故っていた。警察が交通整理していて路肩には救急車が停車していた。この光景を見たあとでは山へ上がる気が失せる。けれども上がらないと仕事ができない。白くキラキラ反射するアスファルトをゆっくり進み、急勾配の手前で停車し時間をかけて梨棚へ向かった。農道は山の尾根に隠れて陽が当たらずいつでも危険が潜んでいる。今日は無事であったが、いつか滑って事故を起こすだろうと思う。降雪の日は山へ上がらないとするのは容易い決断だ。1日の損失程度では予定が狂わない熟練の農夫であればだが。
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山国梨棚新高園
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黒いおがくず。
雪が舞い散る間を縫って今日も剪定。軽トラの暖房に逃げ込み、陽射しが戻れば梨棚に戻るという忙しい1日。今日触った枝は樹勢が弱く、主枝亜主枝を落とさなければならないという降雪のなかでやるにはなかなか気が滅入る作業だった。ノコを引くと黒い粉が風に舞う。健全な枝であれば白いおがくずだから、この主枝は内側が枯れているとすぐに判る。そのままノコを引き続けるか、チェンソーを持ってくるか。微妙な太さに少し悩んでチェンソーで切り落としたのをきっかけに、細い側枝までチェンソーを振るった。梨棚のワイヤーを傷付ける危険があるもののやはり早い。雪の日は丁寧な剪定より効率を選ぶべきだと思うが、どこかで後悔しそうではある。
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山国梨棚新高園
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陽射しが戻る。
今日は雨の予報だった。午前中だけ小康状態で午後から再び雨。おそらくそうなるだろうと疑っていなかったが、午後2時まで空は明るかった。空模様に裏切られることはよくある。しかし、その逆はほとんどない。朝から重い雲が広がり、今にも降りそうな空気から陽射しが戻った上に、気温も10℃などほとんど奇跡だ。すぐ降り始める空を警戒して剪定に集中したのがまたよく、予定していたよりずっと多くの枝を切れた。明日からまた寒波が南下してくる。厳しい週になりそうだ。
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山国梨棚新高園
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花芽の整理。
短果枝ひとつに花芽がひとつ。これは今年から使う1年生の枝。これが2年3年と歳を経るごとに短果枝も数を増し、花芽も増える。たくさん花が咲けばたくさんの実りが期待できそうだし、実際そうなるのだが、味とサイズが落ちていく。小さくて甘くない梨は収穫量が増えたところで売り物にならないから、数を調整するわけだ。「花を咲かせない」と最初に教わった。花は受粉して子房になり梨になる。だから最初に花の数から調整しておく。花を咲かせるのも木はエネルギーを使うから不要な花芽は摘んでおく。反比例して農夫の体力は減っていくのだが。
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山国梨棚新高園
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キツツキの音。
梨棚に到着するとキツツキが木をつつく音が聞こえた。寒さが厳しくなる頃に聞く音だ。姿は見えないが遠くまで響く音ですぐに判る。松の木が好きなのかキツツキの音は必ず松の木から聞こえる。ゆっくりつつく音、連なる音とその時々でリズムが違うのは、巣作りやコミュニケーションや捕食行動によって違うのだそうだ。キツツキは鳴かずにこうして音で居場所を知らせてくれる。
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山国梨棚新高園
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凍る蛇口。
今日も快晴。陽射しがしっかり届いて朝から剪定が捗る。剪定の順序として、まず不要な枝を真っ先に落とし、側枝を配置する場所を大雑把に決めておく。側枝というのは梨を実らせる枝のこと。来年使う予定の枝は待ち枝。この2つの枝が決まったら、枝を誘引して棚に結び固定する。最後に切断した枝の切断面に保護剤を塗布して終了となる。保護剤はハケで塗っていくのだが、寒い朝は水道ホースが凍っていて水が使えない。ハケを駄目にしてしまう原因がこれだ。
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山国梨棚新高園