• |  山国町の梨農家の日記  |

  • ムカデが潜む枝。

    今年はムカデが多い。枝に上がって短果枝に巻きつき葉に隠れている。うっかり触ると刺されるだろうけれど、赤い足のお陰で発見は容易い。採果鋏をそっと近づけ胴を切り安全を確保するのがいつものやり方だ。ムカデは虫を捕食するから益虫の側面もあるものの、梨棚には蜘蛛が多く居て捕食対象である。どちらの味方をするかは考えるまでもなく、従ってムカデを排除するのだ。

    ムカデが潜む枝。

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    山国梨棚豊水幸水園

  • みつ症の豊水。

    みつ症の豊水を摘む。就農初年度に悩まされた生理障害だ。水浸状となった果肉が見た目と食感を損ない、売り物にならない。みつ症は、乾燥しやすい果樹園、根の衰弱からカルシウムの吸収に障害がある木に発生しやすい。その後にカルシウムの散布を定期的にやり、なんとか治った。今では稀に見かける程度だ。とは言え安心はしていられない。礼肥から肥料散布のタイミングで欠かさず散布したい。

    みつ症の豊水。

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    山国梨棚豊水幸水園

  • 早朝の選果場。

    早朝のJA即売場で梨棚メンバーと居合わせた。これから選果場に手伝いに行くのだと言う。こっちは道の駅へ出荷を終えてから、初めて稼働中の選果場に顔を出した。梨棚メンバーは選果場の利用者で、要領がよくわかっているらしく忙しく動き回っている。撮影の許可をもらって撮影を終わらせ、邪魔になる前に選果場を出た。今日からしばらくは雨が続く。雨に降られれば収穫も選果も出荷も全てが難儀だ。選果場利用のメリットはこんなところにもあるのだと考えさせられた。

    早朝の選果場。

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    山国町JA選果場

  • コヤマトンボ。

    いろんな昆虫をよく見かける、道の駅やまくに。すぐそばに山国川が流れ夜間も明るいせいなのか、珍しい虫から大量発生する虫まで様々が集まってくる。今朝はコヤマトンボが通路で動けなくなっていた。ぱっと見た目はオニヤンマだが、体は小さい。死が近いのか、近くを歩いても弱々しく飛んですぐ落ちる。物産館を出入りする客がトンボを踏まないよう避けて歩いている。たぶん気付けない客に踏まれ、明日の雨で水路へと運ばれるのだろう。山国川へ還るのだ。

    コヤマトンボ。

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    道の駅やまくに

  • 雨の週明け。

    あきづきの出荷を開始。曇り空、気温は高く雨が降りそうだ。週のスタートだし売れ行きはイマイチだろうと判ってはいるが、出荷量は減らせない。軽トラに満載したあきづきを山国へ運び、出荷を済ませてから収穫のため山へ上がり、そこで雨が降り出した。週末までの長い時間を耐えつつ、出荷を続けないといけない。

    雨の週明け。

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    日田市天ヶ瀬町

  • 豊水、金賞受賞。

    中津市農産物品評会にて金賞銀賞の両賞をいただいた。無袋部門にて銀、有袋部門にて金という嬉しい結果だった。春先に凍害が発生し、その後は雹害という逆境を乗り越えての受賞であったから喜びもひとしおだ。この後、あきづき梨の品評会が控えている。出品エリアは中津市に留まらず県下梨農家が対象となる。得ようとして狙える賞ではないため受賞は困難が予想されるけれども出品を予定している。

    豊水、金賞受賞。

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    山国町山国川源流域

  • 暑い夜。

    台風が去り午後には日差しが戻った。雨雲のお陰で昨夜はかなり涼しい夜を久しぶりに経験したのにまた酷暑へ逆戻りだ。週末に向けて選果を急いでいる今、この気温は耐え難いところがある。豊水が終わって10月の新高へと品が変わる頃には長袖を着ている筈だが、果たしてそうなるのか今年は疑問だ。豊水に比べて重量が増す新高は、ひとつ800gとなり重いものだと1kgを超える。つまりコンテナひとつの重量が増すというわけだ。この気温のまま1箱25kgの運搬は考えたくもない。日が傾いても気温はそれほど下がらず、一息つけるのは選果が進んだ深夜になりそうだ。

    暑い夜。

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    玖珠町山下

  • 台風通過中。

    台風通過中。宮崎沖に中心があり、日田市は暴風域にある。予想進路は四国へ向いているから、これから風雨は弱まっていくだろうと安堵している。梨の落果被害は軽微だろう。今朝、中津市の市街地へと送った梨は全て売れたとレポートが届いた。明日から週末にかけて出荷数を大幅に増やす予定だ。

    台風通過中。

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    日田市天ヶ瀬町

  • 台風接近。

    台風を知らずにいた。明日は20mm以上の雨らしいのだが、時間が判らない。天気予報が更新毎に変わるからだ。強い雨が降れば客足は止まるだろう。週末に向けて出荷数を増やすつもりでいるのに出鼻を挫かれた感じだ。明日は空模様次第では出荷を止めるかもしれない。夕方から風が強くなり気温がぐっと下がった。熊本へ通じる瀬の本の高原道路は激しい雨だった。崖崩れが心配だ。

    台風接近。

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    熊本県南小国町瀬の本

  • ホット豊水。

    出荷を終えて山へ上がり運搬車のエンジンを始動するのがだいたい午前9時あたり。採果鋏で最初のひとつを摘むのは9:30くらいだろうか。太陽に炙られた梨に触れると熱いと感じるほどに温まっている。梨の水分は88%ほど。これが果実を朝から晩まで太陽光から守っているのだが、さすがにテクスチャの変化までは抑えられないようで、糖度が不十分なのに熟した赤になる。特に枝葉の影にない梨は赤くなりやすく、熟した果実から摘みたい農夫の目を欺く。赤いのに甘くない豊水は、9月初旬選果の注意事項だ。

    ホット豊水。

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    山国梨棚豊水幸水園

  • オイル交換。

    午前中に軽トラのオイル交換をやる。梨団地の近くに修理工場があり、一旦収穫を止めて山を下った次第だ。いつでも必ず動いてくれる軽トラなのだが、走行距離が10万キロを超えたあたりからさすがにくたびれてきた気がする。ある日唐突に動かなくなってしまう事態は考えたくないから、異音や雨漏りはともかくエンジンオイルだけはしっかり換えておこうと思う。まだまだ動いて欲しいし、梨の世話を始めた頃から一緒にやってきた友でもあるからだ。

    オイル交換。

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    日田市天ヶ瀬町

  • 豊水出荷。

    幸水の出荷が終わって豊水の出荷を昨日開始した。週末の人の動きに合わせて大量出荷と行きたいところだが、豊水の味の乗りはいまひとつだ。とりあえず先行して早く熟れた豊水を摘み始めた。もちろん数は多くなくサイズもまちまち。出荷量は当然少ない。本格的な出荷は来週の半ばくらいか。幸水と比べて豊水は数が多いからゆっくり構えてはいられない。忙しい9月になりそうだと思いつつ早朝の田園風景を走った。

    豊水出荷。

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    玖珠町古後

  • 豊水収穫開始。

    豊水の収穫を開始した。予定より3日ばかり伸ばしての収穫ではあるものの、それでも味の乗りが微妙だ。とはいえあまりに先延ばしも出来ない。日に当たって早々に熟した豊水を摘みつつ、まだ青い果実の味見も忘れずにやり、表面の傷や虫食いのチェックも忘れない。そうやって確認していると果口に潜んだ蜘蛛や枝葉に隠れたトカゲをよく見かける。今日も豊水の果口にいる蜘蛛を見つけた。毎年必ずいる奴だ。名前は判らない。梨を傷つけることなく食害する虫を獲ってくれる頼もしい仲間だ。

    豊水収穫開始。

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    山国梨棚豊水幸水園

  • 山国の稲穂。

    稲穂が首を下げる。玖珠山国線を走るとずっとこの景色が続く。水田のない土地で育ったせいか、山へ向かう景色は一際美しく見えて退屈しない。緑の絨毯が黄に変わるまでもう少しだ。豊水の収穫が終わる頃には米の収穫が始まるだろう。自宅の米はそろそろ底を突く。購入先の農家さんの新米は10月だと言う。備蓄はどうにも足りそうになく、麺かパスタが続くことになりそうだ。

    山国の稲穂。

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    山国町宇曽

  • 海を眺めに行く。

    豊水の収穫待ち。味が乗らないのだ。例年より1週間ほど遅れている、というのがまわりの意見だが、梨棚メンバーの流線園では赤く熟れた豊水が下がり、急いで収穫を進めている。成長になぜこんなバラつきがあるのかよく判らない。わからないから、毎朝山へ上がって味見をして全体を見てまわり、そして荷台を空のまま山を下る。まったく無駄な時間。仕方なく遠回りして帰宅する。草刈りなど他にやることはあるのだけれど気分が切り替わらない。焦りを抑えるために海でも見て帰るかという、説明のつかない無駄を重ねる。

    海を眺めに行く。

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    豊後高田市粟嶋公園

  • 小動物捕獲罠。

    ムジナに新高園を荒らされた。少量の豊月はほぼ全滅。被害は小さく無い。すぐ捕獲罠を購入し、梨棚メンバーを通じて紹介してもらった猟師さんに頑丈な捕獲罠を追加で設置してもらった。そして日が変わった今日、早速まるまる太ったムジナが罠にかかっていた。罠の設置ひとつでも、やはりプロの助言を聞いておくのは良いと経験する。餌の種類から罠の向きや、罠の扱いについて、なるほどと関心させられる。予想ではムジナは1匹だけではなく、おそらくアライグマも近くに潜んでいるだろうと感じる。罠の設置はしばらく続けたい。

    小動物捕獲罠。

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    山国梨棚新高園

  • 夕方からいつも雨。

    豊水の収穫を開始する予定だったが急遽変更。やはりまだ早いのだ。早くてもあと数日待つべきだ。というわけで自宅の草刈りでも、と考えていたけれど暑過ぎた。気温が下がるのは日が傾いてから。しかし、連日夕方から雨が降る。今日も気温が下がってから雨が降り出した。梨棚の地面は乾かず軽トラでの侵入はなかなか面倒だ。明日山へ上がってから豊水の収穫日を決めよう。轍を深くするのは数日控えておこう。

    夕方からいつも雨。

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    日田市天ヶ瀬町

  • 野の百合。

    百合が農道脇にたくさん咲いている。おそらく名前があるのだろうが、よく判らない。この時期だったか?とも思う。丁度、豊水の収穫が始まる頃。雑草が再び伸びきって収穫の邪魔になる今、百合が咲いていたか思い出せない。もっと秋が近づいてからの気がいつもするのだ。梨団地の農婦さんは、百合を根から抜いて自分の梨棚から見える位置に植え替えたりする。面倒だから真似することはないが、気持ちは判る。大きく綺麗な花だ。

    野の百合。

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    山国町東部梨団地

  • 幸水収穫終了。

    幸水の収穫終了。あと1日か2日出荷したら、手元から幸水はなくなる。次は豊水だが、もう少し太って欲しいところ。既に出荷を始めている農家さんもいて、甘味も乗っている気はする。これまで幸水に集っていた虫たちが、豊水へと標的を変えつつある。週明けには収穫の予定だ。

    幸水収穫終了。

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    山国梨棚豊水幸水園

  • 鳥追いカイト。

    隣の梨棚に鳥追いカイトが下がった。しかも2つ。鳥の食害が大きかったのかもしれない。どれほどの効果があるのか知らないけれども、追われた鳥がまわりの畑に散るという意見、スズメやヒヨドリには効かないという意見の両方を聞く。風が吹くとナイロンの猛禽はなかなか勇ましい姿で本物のように飛ぶが、凪いでしまうとひっくり返って情けない。さて結果はいかに。

    鳥追いカイト。

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    山国町東部梨団地

  • 食害。

    今年のカメムシ被害は極微。そろそろ幸水を積み終えるがカメムシの食害は数えるほどだった。蛾やシンクイムシの被害は昨年と同じくらい。もう必ず発生するものだという諦めもあって、摘みながら落とす。あとは鳥による食害。これは昨年より多かった。ひとつの梨を食べるために、隣の梨を足場にするため、爪痕がそこらじゅうに残って売り物にならない。全体としては許容できる範囲と言え、天候によるダメージよりずっとマシだった。渇水に高温。自然の気紛れは1年を通じて対処のしようがない。

    食害。

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    山国梨棚豊水幸水園

  • 山国川の冷たい水。

    午前中は強い陽射し。午後遅くなって雷雨。ここ数日は毎日こうだ。出荷を朝早くに終え、その後収穫。雨が降る前に帰宅するようにしているのは、帰宅後の選果で梨が濡れているのは困るからだ。予報では午後2時から雨の予報だったが今日は降りそうな気配がない。だから帰宅の前に山国川の上流へ向かい浅い流れで足を洗ってから帰宅した。源流域の水は冷たく目が覚める。子供連れの姿もあって、少しのんびりできた。

    山国川の冷たい水。

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    山国川源流域

  • アキアカネ、山へ。

    アキアカネが自宅のまわりを飛び始めた。山国の梨団地でもそうだ。山国も玖珠も標高が200mから400mと高いため、赤トンボの夏の移動は緩やかなのかもしれない。9月になれば彼らはまた低い土地へ戻っていく。それまで多くの羽虫を獲ってほしい。夏向けの薄い作業着では虫の攻撃から身を守れない。体のあちこちに虫刺されの跡をつくって血が流れる。仕方なく冬用の作業着を真夏でも着用しているが、アキアカネが飛び交うようになってようやく梨棚で薄着になれるのだ。

    アキアカネ、山へ。

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    玖珠町古後

  • 午後の遠雷。

    暑い毎日。午後になると必ず遠雷を聞く。しかし天ヶ瀬では雨が降らない。山国の釣鐘山は、予報では午後から雨。リアルタイムの降水量を確認すると降り始めたようだ。幸水の次は豊水。大きく育ってもらうため定期的に雨が要るから、通り雨でも嬉しく思う。天ヶ瀬もひと雨欲しいがどうだろう。雨雲らしき重い雲が広がってはいるが、広がるばかりでやがて晴れるのだ。

    午後の遠雷。

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    日田市天ヶ瀬町

  • 熱中症患う。

    熱中症に陥る。暑く無風な梨棚で収穫作業をしている最中、顔が熱って急な疲労に襲われる。これはやばいな、と作業を中断してすぐ帰宅。自宅が近づくにつれハンドル操作すら億劫になり、到着してしばらくは運転席から降りることすらままならなかった。その後ダウン。収穫を1日中断したにもかかわらず、手元の僅かな梨を店に運んだのは気持ちの焦りからだ。未選果の梨が手元に溜まる状態は避けたい。幸水はまだ下がっており、豊水の収穫前に摘み終えないといけない。頭はまだ重く、気分は晴れないが休んでいられない。

    熱中症患う。

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    道の駅慈恩の滝

  • 濃霧の出荷。

    画像で見れば靄だが、肉眼では濃霧。玖珠町も山国町も霧の朝が多い。雲の多い朝は、太陽光が弱く従って霧が残る。出荷のない日であれば視界が狭くなるだけだが、梨を積んでいる朝は鬱陶しい霧。梨の袋に貼った価格シールやロゴマークが濡れるのだ。タオルの一枚でもコンテナに乗せておけばよかったと後悔しても、何処に霧が溜まっているかは予め判らない。山国玖珠線は蛇行する山道だ。ライトを灯して濡れながら出荷先に向かった。

    濃霧の出荷。

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    玖珠町山下

  • オオミズアオ。

    道の駅へ出荷中、オオミズアオを見つける。久しぶりに見る美しい蛾。山国町にいると実に多くの昆虫を見かける。害虫や訪花昆虫は特に意識する虫。蛍や蝉のような季節の変化を知らせる虫。そしてオオムラサキやタマムシ、オオミズアオのような目を楽しませてくれる虫。それらを探すことなく生きた状態で見るのだ。ちなみにオオミズアオはカイコと同じく口がないらしい。

    オオミズアオ。

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    道の駅やまくに

  • 線状降水帯発生。

    線状降水帯が南下。日田市も中津市も影響下に入った朝だった。出荷を止めておこうかとも考えたが、選果場として使っている自宅から少しでもストックを減らすべく道の駅に向かった。途中、2箇所で土砂崩れのため道路閉鎖、迂回しながら出荷を済ませて山へ。合羽を着込んで収穫をやり、すぐに後悔した。山は危険な状態だった。無理を圧すといつか必ず痛い思いをするだろう。

    線状降水帯発生。

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    山国町釣鐘山

  • 激しい雨と出荷。

    激しい雨の中、出荷準備。軽トラの荷台にコンテナを乗せるそばから保護用のナイロンに水が溜まる。一見すると頼りないナイロン袋だが、これが案外しっかり梨に張り付いて雨水からガードしてくれる。出荷先に到着したのが8時30分。早い時間に出荷分がすべて掃けたようで、夕方の売り上げレポートで知ってほっとする。お盆間近の週末。この雨に負けず客足がようやく動き始めたようだ。

    激しい雨と出荷。

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    日田市天ヶ瀬町

  • 幸水出荷開始。

    雨の中、車を走らせ今年初の出荷。客足は遠く、おそらく売れ行きは期待できないだろう。それでも明日の出荷のため、帰宅したらすぐ選果しないといけない。これから11月まで、毎日この繰り返しとなる。1コンテナ20kgの重量に耐え、夜間は梨をチェックし続ける日々は後半になると軽い鬱になる。いつも眠く、右手の親指と腰が痛い。収穫も終わり近くになると売り上げなど、どうでもよくなるのだ。

    幸水出荷開始。

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    山国梨棚/幸水